東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授らが発表した論文に不適切な画像が使われていた問題で、東大は1日、加藤氏が論文の不正を隠すため、実験ノートの捏造(ねつぞう)を指示していたとする調査報告を発表した。
報告では、5本の論文について実験画像の捏造、改ざんを認定。加藤氏のほか、柳沢純元助教授、北川浩史元特任講師、武山健一元准教授の計4人が不正に関与したと判断した。4人はいずれも東大を辞めている。東大は他の論文についても調査を続け、研究費の返還請求も検討する。
報告によると、加藤氏自らが捏造、改ざんをした事実は確認できなかった。科学誌から疑義を指摘され、論文撤回を免れるため、研究室のメンバーに実験ノートの捏造、改ざんを指示した。また加藤氏が実験結果を過度に求めるなど強圧的な指導をし、一部の教員は「加藤氏は捏造、改ざんを容認している」と受け止めたことが不正の背景にあると指摘した。
柳沢氏と北川氏は、複数の画像を合成するなど論文の画像の捏造、改ざんに直接関与し、武山氏は実験ノートの捏造、改ざんに協力した。
加藤氏は取材に対し「問題が起きる環境をつくった責任はあるが、不正の指示も容認もしていない」と主張している。
東大の調査チームは昨年12月の中間報告で、加藤氏らが1996~2011年に発表した51本の論文の計210カ所に不適切なデータがあったと認定していた。〔共同〕
加藤茂明、東京大、ノート捏造