原因と結果を逆に認識している人が多い。
お金があると好きなことができる、と考える人は少なくありません。森博嗣さんもその言葉を投げかけられることがあるのだとか。しかし、これは原因と結果を逆に認識しているのだと森さんは指摘します。いったい、どういう意味なのでしょうか? 8月8日発売予定の森博嗣さんの新刊『素直に生きる100の講義』(大和書房)のダイジェストを、cakesでいちはやくお届けしていきます!
「お金があって、好きなことができて良いですね」と言われるが、それは違う。好きなことがしたいから、金を稼いだだけだ。これは環境が良かったからとか、好条件だったからというわけではない。ただ、好きなことがどうしてもしたいから、しかたなく、寝る間も惜しんで頭を使って、疲れるけれど我慢をして、バイトをした。だから、金ができたにすぎない。偉いことでもなんでもない。原因と結果が逆なのだ。
たとえば、庭仕事をしていると、「綺麗なお庭で掃除のし甲斐がありますね」と言われることがあるが、これも逆だ、掃除をしたり、作業をしているから、庭が綺麗になるだけである。綺麗にしたいから、掃除をしているのだ。
頭が良いから勉強ができるのではない、勉強ができるから頭が良く見えるだけだ。高すぎて買えないのではない、買えないものを高すぎるというのである。
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著者プロフィール
1957年12月7日愛知県生まれ。工学博士。
某国立大学工学部助教授として勤務するかたわら、1996年、『すべてがFになる』(講談社ノベルス)で第1回メフィスト賞を受賞し、ミステリィ作家としてデビュー。
以後、小説に限らずエッセィや新書などで数多くの作品を発表し、絶大な人気を博している。
近著に『「思考」を育てる100の講義』(大和書房)、『フォグ・ハイダ』(中央公論新社)、『ムカシ×ムカシ』(講談社ノベルス)などがある。