『帝国の慰安婦』控訴審、検察が朴裕河教授に懲役3年求刑

 旧日本軍の慰安婦被害者を「売春婦」と表現するなど、元慰安婦の名誉を傷つけたとして名誉毀損罪に問われ、一審で無罪判決を受けた『帝国の慰安婦』の著者、朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授(60)の控訴審が27日、ソウル高裁で開かれ、検察が懲役3年を求刑した。

 検察は法廷で意見を出さず、前日に提出した最終意見書で代替すると述べた。

 朴教授側の弁護人は弁論で「著書では慰安婦被害者たちを『自発的売春婦』と表現したことはなく、彼女たちの名誉を傷つけようと思ったこともない」として、本を読んだこともないのに朴教授への不信感をあらわにするメディアや世論を批判した。

 また「本を読めば、朴教授がそのような記述をしていないことは分かる」「慰安婦という悲しい歴史の加害者に対し、相応の責任を問うことを望む国民として、不信が解消されることを願っている」と述べ、検察の控訴を棄却するよう求めた。

 朴教授は最後の陳述で「歪曲(わいきょく)と虚偽ばかりの指摘と追及が相次いだ」として「維新独裁の時代のように、私が言ってもいないことを言ったかのようにでっち上げて私を告発し、犯罪者扱いした」と悔しさをあらわにした。

 また「慰安婦問題について何も知らない『ナヌムの家』(慰安婦被害者が共同生活を送る施設)の顧問弁護士たちが(この事件の)基礎作業を行った」として「私の著書が検察の主張するような本ではないことが、一審で受け入れられた」と述べ、一審と同様に無罪と判断するよう訴えた。

 朴教授は2013年8月に出版した『帝国の慰安婦』で、慰安婦について「売春婦」であり「(旧)日本軍と同志的関係」だったと記述し、元慰安婦の名誉を傷つけたとして名誉毀損罪で在宅起訴された。

 しかし一審では「互いに異なる価値判断に白黒を付けるのは裁判所の判断や能力を超えており、学問的な表現の自由は異なる意見も保護しなければならない」として朴教授に無罪を言い渡した。

イ・ヘウォン記者
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