「国家は「有罪」をこうして創る」
http://www.amazon.co.jp/国家は「有罪-えんざい-」をこうして創る-副島隆彦/dp/439661425X
は、"手鏡男"と言われた植草さんについて、2006年に起きた京急車内での痴漢事件について、冤罪を検証している本である。
私も近い将来、国家により罪をなすりつけられる可能性が大いにあると思い、手に取った。
私は、植草さんにも、警察・検察にも、どちらにも不可解なものを感じる。
まず、警察・検察。
被害者や証言者が警察に出頭した日付のうち、実際の日付と裁判上の証言の日付が異なっているのである。
警察に出頭するなんてことは非日常の出来事であり、そこでいろいろとやりとりを行い、さらに裁判所などではカレンダーを見ながらチェックすると思われるので、思い違いなどあり得ないと思う。
逆に言えば、日付さえ間違えるほど事実認識能力の低い人間を裁判所が証言として扱い、有罪決定の証拠としてしまうのは、あまりに乱暴であり、恣意的と思える。
それでも、日付はあやふやだったが、証言は一点の曇りもなかったというのであれば、万が一の確率で日付を間違えたのだろう、とも思える。
しかし、その証言自体がコロコロ変わっているのである。
証言が何度もコロコロ変わるということは、なにか真実でないことを言っているために、つじつまを合わせるために変えていると思われる。
しかし、植草さんもおかしい。
よく知られている2004年の手鏡事件に加え、その前の1998年にも痴漢に問われたと書いてあり、植草さんを信じるならば3回も痴漢冤罪に問われているのである。
2006年の事件において、以前に国家が2度も痴漢冤罪を捏造した、電車内では理不尽なことを行われる可能性があると心から思うのであれば、フラフラに酔っ払って夜の電車に乗るなど、憎さと怖さのあまりできないと思うのである。
植草さんは有名な学者であり、ある程度の収入もあるだろうから、冤罪事件が気になるのであればタクシーで帰ればいい。
乗車したのは品川駅だから、タクシーなどいくらでも捕まったであろう。
このようなことから、実は冤罪などではなく、自分の性的嗜好から行為に及んでいる。
だからこそ、またしても自分から好んで電車に乗ってしまうのだろう?
と言われても、反論できまい。
酒に酔ってフラフラの状態なんて、冤罪を捏造された人間にとってはこれほど恐ろしい状態などないが、痴漢を働きたい人間にとっては、多少怪しい動きをしても酔っていることを理由にできるので、好都合な状態のはずである。
植草さんが酔っ払った上で自ら電車に乗ったのは、痴漢冤罪を主張する人間としては、それだけで既に極めて大きなミスをしていることは自覚していただきたい。
そもそも論であるが、痴漢被害を訴えた女子高生は、本当に被害を受けたのであろうか?
植草さんの言い分を採用すれば、この女子高生は、植草さんを冤罪に陥れるために仕込まれた可能性がある。
しかし、会社員ならばまだしも、女子高生である。当時高校2年生である。ちなみに犯行時刻は22:10頃である。
女子高生が直接、組織に雇われることはないだろう。
すると、女子高生は組織の娘であり、親のために冤罪事件を他の犯人と共に捏造した、というセンも一応はある。
女子高生の親の職業は一応洗ってみる必要はあろう。
当然、女子高生は単なる被害者である可能性のほうが高い。
その場合は、植草さんが行為に及んだか、他の誰かが行為に及んだかのどちらかになる。
植草さんが弱いのは、犯人が植草さんでなければ、では誰がどういう位置から、女子高生に対して犯行に及んだのかの説明を、仮定にしろしていないことである。
もちろん、植草さんは泥酔していたため、そこまでは分からなかった、と言うだろう。
しかし、犯行は京急電車のドア近くの狭い一角で行われたのである。
では、どういう位置に真犯人がいたのか、コイツが真犯人と思われるのでは、というのは、植草さんに目星がつくはずであり、植草さんの側が提示すべきと思う。
女子高生が騒いだ後、植草さんは、前から突然出てきた男達に取り押さえられ、駅に着くまでしばらくの間なにもできなかったと言っている。
突然出てきたこの男達は目立っただろう。
そこから考えれば、真犯人がおり、突然去ったのであれば、それ以上にすごく目立ったはずである。
よくドラマの密室殺人事件で探偵が言うように、「この場を動かないでください!」という状況である。
そこで動いた者は、自分が真犯人と自白するようなものだから。
ということは、植草証言を採用するならば、真犯人がおり、その真犯人も京急蒲田に着くまでに、動くことなく、至近の距離にいたことになる。
然るに、そのような人物の目撃証言はどこにもないようである。
以上のような、本の事実を合わせて考えると・・・
植草さんが痴漢事件の真犯人である。そしてこれまでの犯行もすべて事実である。
このため、2006年の事件にしても、植草さんが犯行に及ぶのではないかと、警察は警戒し、私服刑事を仕込ませておいた。
そして当日、酒に酔った植草さんは京急の品川駅で、自宅とは違う方向の電車に乗った。私服刑事は犯行の可能性が高いとして注目した。
果たして、想定の通りに植草さんは痴漢を働いてしまった。
このため、私服刑事が取り押さえた。
しかし警察は、一般人であり、政府を厳しく追及していた植草さんをマークしていたなどと公衆に対して言えるわけがないので、証言者である私服刑事、取り押さえた私服刑事ともに一般人ということにして、その部分の口裏を事件後に合わせた。
植草さんは、警察が口裏を合わせたところの矛盾点を突いて、無実を主張してきた。
しかし、では誰が真犯人か、については答えを持ち合わせていない。
なにしろ自分が真犯人なのだから。
こういうストーリーがいちばんしっくり来る。
ただ、私も冤罪に問われる可能性があるので、コレで個人的に一件落着とするのではなく、自分なりに詳細に調べてみたいと思う。
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