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【本当にあったある意味怖い話】禁断の呪文を叫んだら気絶した思い出【下ネタ】

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今回はすこし昔話をします。

 

ごきげんよう。カザマです。

さて、これから少しばかり昔話をしようと思うのだけれど、最初に断っておくと今回の記事はド下ネタでございます。

下ネタはあまり得意じゃない方は申し訳ないのですが、健全な他の記事でお楽しみください。(他の記事に下ネタが混ざってないとは言ってない)

 

(※この記事がきっかけで書いた本当にあった怖い話はこちら) 

 

呪いの館との出会い

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話は遡ること十数年前。

当時、小学校低学年の私が毎日歩いていた通学路には廃屋のような家が建っていた。

『廃屋のような』と言うのは、結論から言ってしまえばそれは実際には廃屋ではなかったからなのだが、きっと家主は手入れを怠っていたのだろう。そのせいで少々外見が荒れており、尚且つ周りの一軒家に比べると少々大きめの建物だったものだから、小学生のころの私の目にはホーンテッドマンションよろしく、やけに不気味な館のように見えたのであった。

あとから聞けばそれは、周辺の土地を管理する地主が倉庫代わりに使っていたもので、滅多に帰ってこないところだったそうだ。どうりでほとんど人の気配がなかったわけである。

そんなことを知る由もない私がいつものように通学路にポツンと佇む建物を不気味に思っていたある日、とある男子生徒の口からこんな噂が飛び出してきた。

 

「あの家の前で息をすると寿命が縮むらしい」

 

なんておそろしい話だろうか。

その場所は決して人通りが少ないというわけではない。なんなら住宅街のド真ん中にその建物は存在しており、そんな世にも恐ろしい呪いの館がみんなが暮らしている環境のなかに平然と潜んでいることに戦慄した。

そしてそんな恐ろしい建物の前を毎日通わせる学校サイドの対応に幼心ながら憤慨していたのを覚えている。

それにしてもこれは大変なことになった。そうとは知らず、これまでその家の前を通ってきたが、果たして自分の寿命はどれほど縮んでしまったのか。考えれば考えるほどに恐怖が身を蝕んでいく。

しかしただ恐怖に身を震わせているだけでは何にもならないと考えた私は、これ以上寿命を縮めないように最善の策を尽くすべく、その日から学校の廊下で男子数人とともに、いかに息を止めながら効率よく早歩きができるかを研究し始めた。

ここでポイントとなるのは『息を止めながら早歩きする』ということ。

その家の敷地は庭も含めるとそれなりの広さではあるものの、子供の足でも走ってしまえばあっという間に通り過ぎることはできる。しかし、走った際の息遣いで呪われた空気を吸い込んでしまう危険性があったため、どれだけ走るのに近しいクオリティの早歩きができるかがとても重要なのであった。

 

呪いの館の住人の正体

それから数日後、入念な研究と練習の甲斐もあり、息を止めながらその家の前を通り過ぎることは難なくこなせるようになっていた。

すれ違う大人たちが平然と息をしているのを見て『あの人はきっと寿命を吸われまくっているに違いない。目の前で倒れたときはどのようにして助けてあげようか…』と息を止めて歩くこと以外を気にすることができるくらいには慣れてきていた。

そんなある日のこと、いつものようにその家の前を通り過ぎようとしたとき、ふとその家の表札が目に入ってきた。

伸びきったツタやミドリゴケに覆われてはいるものの、そこにはしっかりと家主の名前がこう刻まれていた。

 

【ま〇こ】

 

みなさんはこの三文字をみてどう思っただろうか。

そう。たぶんあなたがパッと思いついたその単語で間違いない。

伏字にしなければブログの倫理観が問われるようなその単語である。ちなみにこのブログに倫理観が存在しているのかどうかは今回は置いておく。

そして幼いころの私が目にした表札の文字は実際には伏字になっていなかった。何も伏せられていなかった。包み隠さず露わになっていた。いわゆる無修正というやつだ。

しかしだ。当時、小学校低学年の無垢な少年である私が当然その言葉の意味を知るわけはなく、この不気味な館の主の名前だと思い込むのにそう時間はかからなかったし、初めて見るその単語はやけに強く脳裏に焼き付いてしまった。

後日そのことを友人に伝えたところ、瞬く間に館の主の名は広まり、気付けば恐怖の対象として『ま〇こさん』なる架空の人物まで誕生していた。

 

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トイレに住んでいるのは『花子さん』だし、テレビから出てくるのは『貞子さん』だし、だいたい『〇〇子さん』というネーミングは如何にもな感じがして、もうピュアな少年少女の心には恐怖心がバリバリ植え付けられてしまった。無垢な少年少女の頭のなかはもう『ま〇こさん』のことでいっぱいだった。

そんなこんなで一躍、名前が広まった『ま〇こさん』の噂は集団効果によって瞬く間に話に尾ヒレが付き始め、『前を通るたびにお供え物を置いて行かなければ夜な夜な迎えに来る』だとか『家の前を何秒以内に通り過ぎないと呪いのパワーが増して息を止めていても意味がない』など、ありとあらゆる噂がどんどん出てきて、ま〇こさんはもはや誰も手が付けられないほどに強大な力を持った悪霊と化していた。 

そんなある日、道端で拾った綺麗な石を庭先にお供えし、残り3秒というところで今日も無事に館の前を通り過ぎたそのとき、ちょうど買い物帰りの母とバッタリ出くわした。母はすぐに私のおかしな様子に気付いたようで、何事かと訊ねてきた。

私は母に呪いの館のことやその呪いの回避方法などを詳細に説明したのだが、どうも母は信用していないといった様子だった。やはり母には全てを話さねばなるまいか。最も重要な『あの館の主について』はまだ話していない。

できれば多くの人は巻き込みたくなかったが、母にはもう話すしかない。そう思った私は母に家主のことを話し始める。

するとどうだろうか。先ほどまで全く信用していないといった様子の母の顔がみるみるうちに強張っていくではないか。その様子を見て自分のなかで疑惑は確信に変わった。やはりこれは口にしてはいけない禁断の言葉だったのだと。

しかしもう後には引けない。自分の知っていることはすべて話さなければならない。母なら何か呪いの回避策を知っているかもしれない。

そう信じて話し続けるが、母は「やめなさい。大声で言うのはよしなさい。」とただ私のことを制止するばかりだ。

これはいよいよマズいことになった。なんと母も禁断の呪文に対する対抗策を持ち合わせていなかったのだ。

もう母は頼れない。こうなったら以上、自分自身の力で跳ね除けるしか道はない。強大な陰の力には、それを越える陽の力で打ち勝つしかない。

もしかしたら私はここで死んでしまうかもしれない。しかし何もせずにやられるくらいなら最後の最後まで抗ってやる。

そう決心し、私の持ちうる限りの力をそこに込め、ありったけの大声で叫んだ。

 

 

「ま〇こぉぉぉぉぉぉぉーーー!!!!」

 

 

 ………次に気が付いたときには、私は壁にもたれ掛かっており、なぜか頬がひどくヒリヒリしていた。どうやらほんの一瞬ではあるが気を失っていたらしい。

そして目の前の母が息も荒く怒っているのを見て、改めて禁断の言葉の恐ろしさを身をもって感じるとともに、生還できた喜びに胸を打ちふるわせていたのだった。

ちなみにこの数年後に禁断の呪文の本当の意味を知ることになるが、それはまた別のお話。

 

 

 

(※この記事は2017.04.16に公開したものを大幅に加筆・修正したものです)

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