かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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クラブ ホルモンクリーム 解析

 

 

  保湿力:★★★☆☆
  皮膜力:★★★☆☆
皮膚安全性:★★☆☆☆
 抗酸化力:★★★☆☆
保湿持続性:★★☆☆☆
伸びの良さ:★★★☆☆
しっとり感:★★★☆☆
サラサラ感:★★☆☆☆
敏感肌適正:★☆☆☆☆

 価格適正:★★☆☆☆(60g:648円) 

  総合評価:★☆☆☆☆

 

 

 

これは、、成分知識がそこそこある人はまず手を伸ばさない商品だと思います。

 

 

 

本商品の問題を指摘すると複数あるのですが、

 

特に気になる大減点ポイントは大きくニ箇所挙げられます。

 

 

 

まずひとつめ。

 

主成分の『グリコール』が何と言ってもよろしくないです。

 

僕はこの成分が入っている化粧品を今日はじめて解析しました(苦笑)。

 

ちなみにCosmetic.infoで検索をかけてもスキンケア化粧品に配合されている例はなんとわずか4件(うち3件クラブさんの商品)しかありません。

 

 

「グリコール」は成分的には保湿剤としての効果があり、グリセリンとよく似た働きをする成分です。

 

なぜあまり配合されていないのかというと単純に「毒性があるから」です(苦笑)

 

 

というのも、グリコールは正式名「エチレングリコール(1,2-エタンジオール)」という成分ですが体内に吸収した際に毒性物質を生じてしまいます。(→エチレングリコール

 

皮膚に付けても大きな刺激があったりするわけではないので気付かない人も多いのですが、

(敏感肌には刺激になります)

 

分子量が凄く小さい成分なので塗り置きの場合でもわずかに経皮吸収して体内に入ってしまうリスクがあります。

 

また小さい赤ちゃんが居られる場合などは特に危険で、

 

舐めるともろに摂取してしまうので厄介です。

 

 

もちろん化粧品なので塗った本人の吸収量は少なく大体は安全なのですが、

 

普通ならばこういったリスクが懸念される成分は配合しないに越したことがありません。
(実際この成分を化粧品に配合する会社はほとんどありません。)

 

 

僕だったらこの成分が1番多く配合されている化粧品などまず使いたくないです…。。

 

 

 

次にこのクリームの大問題点ふたつめは、

 

これ、実は主成分が「石けん」です。

 

 

こってりした重めのテクスチャーになっていると思うんですけど、

 

「ステアリン酸Na」という固形石けんがかなり多めに配合されています。

 

実際見た目も石けんぽくないですか?;

 

 

クリームなのに油分がステアリン酸とステアリン酸エチルしか入っていないので、

 

根本的な油分の「蓋」としての役割はかなり弱いです。

 

皮膚の脂肪酸などでpHが変動すると安定乳化が壊れてしまったりして白く粉をふいたりする他、

 

遊離した脂肪酸が肌を刺激することもありますね。

 

 

 

ちなみにこのようにクリームの乳化を石けんを使って行う手法を『石けん乳化』というのですが、

 

大昔の界面活性剤の技術がまだまだ発展途上だった頃に使われていた手法です。

 

最近でも使われることがありますがもっと低濃度でやります。

 

基本は肌に刺激の無い非イオン系乳化剤を用いるのが一般的です。

 

 

 

 

以上2点が凄く大きな減点ポイントなので他がもう薄れてしまうのですが、

 

基本的にはもう今の御時世には良質と呼ぶには程遠く時代錯誤な商品だと感じます。

 

 

 

 

また「ホルモンクリーム」の名称の由来となっている

 

『女性ホルモン(エチニルエストラジオール)

 

にも、もしかしたら問題がある可能性もあります。

 

これは医薬部外品有効成分には登録されていないので濃度が不明ですが、

 

結構微量でも吸収されると女性ホルモン様作用を示してしまう成分なんです。

 

 

基本は経口摂取で飲む女性ホルモン薬なので経皮吸収での効果がどの程度あるか推定しにくいですが、

 

ホルモン系成分はステロイドしかり経皮吸収性が高くその反動の副作用も気になります。

 

 

女性ホルモン様作用はもちろん良い作用が多く

 

『女性ホルモン=美肌ホルモン』とも言えるものなので肌が綺麗になったりする効果も見込めるわけですが

 

ホルモン系成分は長期使用すると自前のホルモン分泌が弱る副作用が懸念されるので、

 

化粧品として長期利用するのはそれなりに注意した方が良いと思います。

 

 

 

ですので直接ホルモン系に関与する可能性があるものはそれが例え「化粧品」であっても僕はあまりオススメしません。

 

実際エチニルエストラジオールが配合されている化粧品も数件しかないので

 

臨床のデータとしてはかなり少ないように思います。

 

またこの商品を使った人の感想でかなり医薬品的な効果を彷彿とさせるものが目につくのも気になります。

 

(まぁ個人的には配合量はほぼゼロに近いものでただのイメージ成分だとは思うのですけどね。…というか、そうであって欲しい。苦笑)

 

 

 

何にせよ主成分のグリコールの時点で長期使用はリスキー過ぎると判断しますし、

 

処方がまず前史時代的過ぎるのも難点。。

 

ホルモン系に影響する可能性があるのも不安材料です。

 

 

 

というわけで大変申し訳無い気持ちでいっぱいなんですが…。。

 

これは珍しく一つ星を付けざるを得ない商品。。

 

敏感肌の方だけでなく万人にオススメしにくい商品ということになります。

 

 

 

 

まぁ、そりゃあ昭和10年から80年以上ほとんどリニューアルしてないらしいですから…(-_-;)

 

そろそろ内容を見直しても良い頃なのではないかなという気もしますね( ;゚─゚)






商品名 クラブホルモンクリーム
内容量 60グラム

価格:648円


配合成分 水、グリコール、グリセリン、ステアリン酸、ステアリン酸Na、PG、PEG-4、ステアリン酸エチル、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸K、エチニルエストラジオール、セタノール、ジメチコン、ピリドキシンHCI、変性アルコール、ブチルパラベン、メチルパラベン、香料


クラブホルモンクリームは、エチニルエストラジオール(女性ホルモン:保湿成分)を配合した、べとつきの少ないナリシングクリームです。肌荒れや乾燥が気にならないうちからお使いいただきたいクリームです。肌にうるおいを与えて、しっとりしなやかにさます。さわやかな感触もなによりです。(パッケージ記載文より)

 

引用元 Amazon

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