アジア開発銀行総会 AIIBなどとの連携を強化へ

アジア開発銀行総会 AIIBなどとの連携を強化へ
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横浜市で開かれていたアジア開発銀行の50回目の年次総会が閉幕し、中尾総裁は、アジアの膨大なインフラ投資に対応していくために、今後、中国が主導するAIIB=アジアインフラ投資銀行や、民間の金融機関などとの連携を強化する方針を示しました。
横浜市で開かれたアジア開発銀行の年次総会は、67の国と地域の財務相ら、およそ4000人が参加して2日目の議論が行われ、アジアの各国から、インフラ開発や貧困削減、温暖化などへの対策で一層の支援を求める声が相次ぎました。

これに対して、アジア開発銀行の中尾総裁は「経済発展を遂げたアジア各国のニーズの変化に対応しながら、依然残る貧困対策にも取り組んでいく」と述べました。

そのうえで、アジア開発銀行の試算で年間190兆円に上るインフラ投資などの需要を賄うために、今後、中国が主導するAIIB=アジアインフラ投資銀行を含め、ほかの国際機関や民間の金融機関との連携を強化する方針を示しました。

このあと、議長を務めた麻生副総理兼財務大臣は「アジア開発銀行には効率性や実効性を高め、新興国のニーズに応えてほしいという高い期待が示された。引き続き、アジアで中心的な役割を果たすよう願っている」と述べて、会議をしめくくり、年次総会は閉幕しました。

アジア開発銀行の次の年次総会は、本部があるフィリピンのマニラで開かれます。

中尾総裁 AIIBとの協調融資増やす考え

年次総会を終え中尾総裁は記者会見し、アジアの膨大なインフラ投資に対応していくため、中国が主導するAIIB=アジアインフラ投資銀行などとの協調融資を増やしていく考えを示しました。

記者会見で、中尾総裁は「インフラや貧困削減の対応についてだけでなく、保健サービスを広げることや、女性の社会進出の促進など幅広い議論ができた」と述べ、今回の総会の成果を強調しました。

そのうえで、中尾総裁は今後の課題について、「AIIB=アジアインフラ投資銀行を含め、新しい組織との連携を、さらに強化しなければならない。また、民間企業が投資に前向きになる仕組み作りが大切だ」と述べ、AIIBや民間の金融機関などと協調融資を増やす仕組みを作り、アジアの膨大なインフラ投資に対応していく考えを示しました。