化学兵器使用か シリア北西部 空爆で58人死亡

化学兵器使用か シリア北西部 空爆で58人死亡
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内戦が続くシリアの北西部で4日、反政府勢力の支配地域が空爆を受けて、子どもを含む市民ら少なくとも58人が死亡し、人権団体は市民の症状などから化学兵器が使われた疑いがあるとしています。
シリアの内戦の情報を集めているシリア人権監視団によりますと、北西部イドリブ県の反政府勢力が支配する地域で4日朝、空爆があり、子どもを含む市民ら少なくとも58人が死亡したほか、多くのけが人が出ているということです。

病院で手当てを受けている市民らは呼吸障害など、化学兵器の使用が疑われる症状を訴えているということで、医療関係者が市民らにマスクをするなどして手当てをしていました。

国連とOPCW=化学兵器禁止機関はアサド政権が4年前に化学兵器の廃棄に応じたあとも、内戦で化学兵器を使った攻撃を行っていると指摘していて、人権監視団は今回の攻撃も政権側によるものだとしています。

これについて、反政府勢力の「シリア国民連合」は声明を出し、「恐ろしい犯罪行為だ」と非難したうえで、国連の安全保障理事会に緊急の調査を行うよう求めました。

一方、アサド政権は一貫して化学兵器の使用を否定してきましたが、今回の攻撃については、今のところ、コメントしていません。

シリアの内戦は、ここ数か月、アサド政権に圧倒的に優位な状況となっていますが、イドリブ県では今も反政府勢力が広い地域を支配していて、激しい戦闘が続いています。