HOME > 桐山研究室第21-25回第24回還流用ジムロートの性能について

 

 

 

  

 <連載第24回>

   還流用ジムロートの性能について                   

目的

      実験でジムロートを使用する場合、特に、釜フラスコとジムロートの適正関係を考えて

     ジムロートの大きさを選択することはしていないようです。

     実験家の経験と勘を頼りにジムロートを選んでいるのが現状だと思います。

     ジムロートの性能が多少不足していても、大量の冷却水を流せば、

     大抵の場合、実験において支障はありません。ところが昨今、環境問題が大きなテーマとなり、

     化学実験においても例外ではなく、排水は出来るだけ抑えることが望まれます。

     そこで、桐山製作所では、環境問題を踏まえて、最少量の冷却水を使った場合、

     弊社のジムロートは、逆にどのようなフラスコに適しているのかを提案するため、

     適正評価方法を検討してみました。ある程度の目安となる数値が得られましたので、

     ご参考になれば幸いです。

 

実験条件

     1. 還流液としては、蒸発し易いジエチルエーテル(沸点35℃)を使用した。

     2. 実験で仕込むジエチルエーテル量は、釜フラスコ容量の50%とした。

     3. 冷却水は水道水を使用して、流量は切れ目なく流れる最低量とし、1分間200ml(流量にして

        0.1m/秒)とした。水道水の入口温度は20℃前後とした。

     4. ジムロートの標準還流点(蒸気が戻る点)はジムロート全長の1/3とした。

         ここで提案したジムロートの推奨値は、還流溶媒としてジエチルエーテルを基準としているので、    

         安全面を考慮し 充分大きめに設定してある。 

         他の溶媒を使用する場合は、小さめのジムロートでもよい。

 

計算方法

         徐熱量 = 冷却水流量×(出口水温-入口水温)
       但し、徐熱量[cal/分]、冷却水量[ml/分]、水温[℃]
       エーテル還流量=(徐熱量×60÷蒸発潜熱)÷エーテル比重
       但し、エーテル還流量[ml/時]、蒸発潜熱[83.9cal/g]、エーテル比重[0.708]
       計算上の適切フラスコ容量はエーテル還流量の2倍容量とし、推奨フラスコ容量は計算容量を
       切り上げて、市販のフラスコ容量にあわせた。

フラスコ容量選定

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