中国の北朝鮮大使館が会見「ジョンナム氏殺害は陰謀」

中国にある北朝鮮大使館は16日、記者会見を開き、キム・ジョンナム(金正男)氏の殺害事件について、「アメリカと南の陰謀であり、被害者はわが国とマレーシアだ」として、北朝鮮による国家ぐるみの犯行だという見方を否定しました。一方、アメリカと韓国の合同軍事演習を非難したうえで、アメリカの迎撃ミサイルシステムの韓国への配備には、中国やロシアとともに反対する姿勢を強調しました。
北京にある北朝鮮大使館では16日午後、日本や中国、アメリカなどのメディアを集めて記者会見が開かれ、パク・ミョンホ公使が出席しました。

パク公使はマレーシアでキム・ジョンナム氏が殺害された事件について、「わが国のイメージを損ない、体制転覆を図るアメリカと南の陰謀であり、被害者はわが国とマレーシアだ」として、北朝鮮による国家ぐるみの犯行だという見方を否定しました。

一方、韓国で行われている米韓合同軍事演習を非難したうえで、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国への配備をめぐって、「目的はわが国だけでなく、中国とロシアをけん制することだ」と指摘し、中ロ両国とともに反対する姿勢を強調しました。

北朝鮮をめぐっては、16日午後、東京都内で日米外相会談が行われ、日米韓3か国が連携して挑発行動の自制などを求めていくことを確認しました。北朝鮮としては、この会談にあわせて記者会見を開くことで、アメリカに対して政策の転換を求める立場をアピールする狙いがあったと見られます。