北朝鮮 弾道ミサイル発射 狙いは米政権への揺さぶりか

北朝鮮 弾道ミサイル発射 狙いは米政権への揺さぶりか
北朝鮮がこのタイミングで弾道ミサイルを発射したのは、初めての日米首脳会談で北朝鮮への対応を話し合ったトランプ政権に対して、核・ミサイル技術が向上していると印象づけ、揺さぶりをかける狙いがあると見られます。
北朝鮮はことしに入ってICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験の可能性を繰り返し示唆してきたほか、今月7日には国営メディアを通じて「人工衛星の打ち上げ」と称する事実上の長距離弾道ミサイルの発射を再び目指す姿勢を強調していました。

その一方で、10日には、国営メディアが去年、北東部で起きた水害の被害に対して、「アメリカ政府が人道支援を提供することにした」と伝え、トランプ政権の出方を探ろうとしているのではないかという見方も出ていました。

こうした中、ワシントンでの初めての日米首脳会談で、両首脳が北朝鮮への対応を話し合ったタイミングに合わせて弾道ミサイルを発射することで、核・ミサイル技術が一段と向上していると印象づけ、アメリカや日本などの関係国に揺さぶりをかける狙いがあると見られます。

さらに来月には、アメリカ軍と韓国軍による定例の合同軍事演習が始まる見通しで、これを前に米韓両軍をけん制する思惑もあると見られます。

また、国内的には、今月16日にキム・ジョンイル(金正日)総書記の生誕75年という節目を控えていることから、これに合わせて発射を行うことでキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の一層の権威づけを図る狙いもありそうです。