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日本人に殴られ死亡した中国人研修生、千葉で火葬=弁護士「会社側の責任問う」―華字紙

配信日時:2011年11月11日(金) 10時22分
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2011年11月9日、千葉県銚子市の水産加工会社で日本人に鉄製のもりで殴られ、死亡した中国人研修生、朱永冲(ジュー・ヨンチョン)さん(23)が同市内の斎場で荼毘(だび)に付された。朱さんの弁護士は会社側の責任を追及していくという。10日付で華字紙・日本新華僑報が伝えた。

事件が起きたのは10月29日。同市の水産加工会社「新場産業」の日本人社員、印南義之容疑者(38)と朱さんがフォークリフトを運転中に接触して口論となり、同容疑者が近くにあった鉄製のもりで朱さんを殴打、けがを負わせた。銚子署が印南容疑者を「傷害容疑」で現行犯逮捕。その後、朱さんが病院で亡くなったため容疑を同致死に切り替えた。

記事によると、斎場には新場産業の社長や研修生の受け入れを行った組合の責任者、印南容疑者の母親が弔問に訪れたが、いずれも朱さんの遺族と接触することはなかった。事件当時、現場には朱さんと共に中国から来た研修生5人が居合わせた。当時の状況について「残忍としか言いようがない。日本人があれほど残忍だとは思わなかった」と話している。

そのうちの1人は「朱さんはとても真面目。工場長が不在の時は現場責任者を任されていた。これが勤続20年以上になる印南には面白くなかったのだろう」と語った。別の研修生は「殺意があったとしか思えない。殺意がなければ凶器も持たないし、頭部も狙わない」と強調した。朱さんら研修生は来年3月に帰国する予定だった。

朱さんの弁護を担当する指宿昭一弁護士は「朱さんはフォークリフトの免許を持っていなかったのに運転させられていた。それに印南容疑者とは1年前にもいざこざが起きている。それでも同じ持ち場で働かせていたのは問題だ」と会社側の責任を指摘。さらに「傷害致死容疑」についても、「証拠があれば『殺人罪』を問うことができ、懲役5年から無期懲役が求刑できる。これが傷害致死なら執行猶予が付く可能性もある」との見方を示した。

また、全日本華人華僑労働組合総連合の呉暁亮・執行委員長は「非常に不幸な事件。この事件を無駄にせず、日本の中国人研修生の安全が確保されることを希望する」と話している。(翻訳・編集/NN)
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