安岡明夫HP(yasuoka.akio@gmail.com)

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=副題:書評「中国を追われたウイグル人」「4-3」=
091002/091003/110712加筆訂正
1.過去記事
「(学習ノート)ウイグル人医師アニワル・トフティ氏に関して「2」090925」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/40044905.html
への補遺を付記する。

1.ウイグル人医師アニワル・トフティ氏は、

1994年9月、鉄道局は全ての鉄道沿線の鉄道労働者とその家族に健康調査。「アニワルは腫瘍に関するデータを集計するチャンスを得た」(参考文献1;p.122)

「ウイグル人の悪性腫瘍発症率は中国のほかの地域に比べて35パーセントも高い・・」(同p.122)

とされている。このことが事実であるならば(といっても私はそのこと自体に重大な疑問を持っているが)、その原因はウイグル自治区の海抜が高いため、宇宙からの宇宙線が沢山降り注ぐことが主な理由と思われる。

宇宙線とは、星が出来たり滅びたりする際、「高速度の陽子と軽い原子核」(参考文献2;p.49)が発生し、宇宙のあらゆる方向から絶え間なく地球に飛び込んでくる。これが空気と衝突して最終的にはアルファ線・ベータ線・ガンマ線になる。この自然放射能による被爆は、海抜ゼロmのところでは年間に平均的人間の浴びる放射線の14.8%(実効線量)を占め、更に宇宙線が原因で生じたそれ以外の核種による放射能を合わせると15.4%を占めるが、海抜が高くなるほど放射線の影響は強くなり、「富士山頂・・で・・約5倍」になる(同p.50-52)。「高度4kmと12kmの間で線量率が20倍増加する」(同p.52)とされる。

だからジェット機に乗っているパイロットやスチュワーデスは放射能の影響を強く受ける。これは職業病の一種である。

さて、ウイグル自治区の正確な平均海抜はわからないが、8千メートル以上の山は新疆に4つある。だが人間の生活空間として1500-1800mを考えるならば、およそ平地(中国の平均海抜の土地)2.3倍の宇宙線を浴びる(追記2参照)として、
15.4%×(2.3-1.0)=20.0%
だけ癌が増加すると考えられるのである。

では、35%-20%=15%の分はどこから来るのか?
それは、
「新疆は世界の長寿地区であり、全国第3回国勢調査によると、中国は百歳の老人が3765人おり、新疆には865人もおり、ホータン地区は国際自然医学会に世界長寿区に選ばれた」
(HP「北京週報日本語版 」の記事
「新疆ウイグル自治区の概況」より)
ためかもしれない。長生きするほど癌に掛かる人は増える。アニワル・トフティ氏によると、漢人も新疆に来て長い人ほど癌に掛かる率が高くなるという。それはやはり空気などが良いため長生きしてるということかもしれない。

つまり、仮にアニワル・トフティ氏の示す数字が正しいのであれば、新疆ウイグル自治区に深刻な放射能の影響は、大抵の地域においてほとんど存在しないと見るべきだろう。そのことはマスコミの方々がガイガー・カウンタを持って新疆地区を回れば直ぐに実証されることではないだろうか?何しろアニワル氏によると、ウイグル地区では中国平均の35%も多く癌にかかり、しかも漢族でもウイグルに来て長くなるほど癌にかかっているという。しかも中国政府は、わざわざ東風の時核実験をやったといっているのである。これが正しいならウルムチであろうとカシガルであろうと、大きな街を回るだけでも直ぐに異常な放射能が検出されるはずではないか!

[追記1/数値の推定をより正確化すべく努力したが、後は専門家にお任せする-091002]。
[追記2/この「2.3倍」との数値の計算方法を述べる。「理科年表」(国立天文台編/丸善発行)に海抜と気圧の関係が載っている。それによると、「h」を標高(メートル)、「P」を標高hメートルの地点の気圧(ヘクトパスカル)として、P=10^(3.00561−h/18410)によって平均気圧は計算できる。「^」の記号であるが、「A^B」は「AのB乗」と読み、例えば「10の3乗」は1000を意味する。なお、高さ3000m程度までは、高さ100mごとに気圧は10ヘクトパスカルずつ下がるとして計算するのが実用的であるが、ここでは厳密に計算する。そして、記事本文に書いたとおり、(富士山頂付近で)気圧が約2分の1になると宇宙線の危険度は約5倍になり、(12000m地点の226ヘクトパスカルのところで)気圧が約5分の1になると危険度は(5*20=)約100倍になるが、気圧変化が少ないところでは気圧と危険度のグラフが直線的であると見て、まず中国の平地の人口密度を加味した平均海抜を200m、ウイグルの生活空間(放牧地を含む)を平均で1650mとして、先の公式に代入することでそれぞれの気圧を計算する。すると中国の平地は988ヘクトパスカルとなり、ウイグルの生活空間は824ヘクトパスカルになる。そして富士山頂は気圧が計算上は632ヘクトパスカルで実際は約640ヘクトパスカルであるがここでは実際の数値を使うことにすると、大体ウイグルは中国平地と富士山頂の中間くらいの気圧であることが分かる。正しく計算すると、ウイグルから中国平地にどれだけ気圧が上がるかは、富士山頂から中国平地にどれだけ気圧が上がるかの約0.46倍である。そこで中国平地から富士山頂に登ると宇宙線の危険は5倍に増えるのだから、5*0.46=2.3となる。前回091002の訂正では2.4倍にしており計算が間違っていたため訂正する。だが実際は中国人口の多くは圧倒的に低地に集中していることを考えると、専門家に任すべきだが、実際は数値が2.5くらいに跳ね上がっても不思議ではないが、安全のため2.3とする-091003]。
[追記3/2011年3月11日以降、地面の高度が高くなると宇宙線をたくさん浴びることは広く語られだした。110712ごろのさまざまな週刊誌や新聞によると、高度が1500m高まるごとに宇宙線は2倍になるという-110712]。

参考文献:
1.「中国を追われたウイグル人」(水谷尚子/2007/文春新書)
2.「放射線衛生学」(飯田博美/1990/マグブロス出版)

参考記事:
書評「中国を追われたウイグル人」090809「1」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39750792.html
書評「中国を追われたウイグル人」090809「2」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39752811.html
(エッセー)ウイグルの針刺し事件を考える090909
[副題:書評「中国を追われたウイグル人」「3」]
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39942413.html
(学習ノート)ウイグル人医師アニワル・トフティ氏に関して「1」
[副題:書評「中国を追われたウイグル人」「4-1」]
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/40044904.html
(学習ノート)ウイグル人医師アニワル・トフティ氏に関して「2」
[副題:書評「中国を追われたウイグル人」「4-2」]
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/40044905.html
(学習ノート)ウイグル人医師アニワル・トフティ氏に関して「3」
[副題:書評「中国を追われたウイグル人」「4-3」]
blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/40084645.html

それ以外の参考記事は下記のとおり:
ウイグル暴動関連重要記事目次
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39719208.html

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