--
--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2015
05.14

MASTERキートンReマスター

MASTERキートン Reマスター (ビッグ コミックス)MASTERキートン Reマスター (ビッグ コミックス)
(2014/11/28)
浦沢 直樹、長崎 尚志 他

商品詳細を見る


<概要>
完全新作。
21世紀。キートンは今も世界を駆け巡る!?
平賀=キートン・太一。
オックスフォード大学修士課程卒業。
元・英国特殊空挺部隊隊員。
彼は今も危険な探偵家業を続けているのか!?
今も欧州古代文明の起源を追い求めているのか!?

<感想>
夫が惚れ込んでるマスターキートンの完全新作。
本屋さんでなかなか手に入らなかったのですが、しばらく前にやっと買えました。

そのまま前の続き、という感じだけど、
キートンに白髪が生えて歳くってる!!
ちょっと偉くなったのかな、と誤解させる出だしだったけど、
結果としてはあまり前と変わらず。。。
変わらない感じなのは嬉しい気がするけど、
フィクションだとはわかっていつつも、一部は現実なんだろうな、
と思うだけで重たい話が続きました。

それぞれの話をちょっとずつ。。。

「QUEST1:眠り男」
人身売買組織から逃げ出した女の子を助けてくれた男が、
何者かに襲われて眠り男になってしまう。
その男も逃げてきた女の子をまた売り飛ばそうとしていたに違いない、と周りに言われつつ、
疑いきれない被害者が、眠り男の正体を探って欲しいとキートンに依頼する。
眠り男の正体は、自分の娘を娘の恋人に人身売買組織に売られてしまったお父さんで、
被害者は、自分の父に騙されて売られてしまった娘だったという話。
世界的には麻薬の取引額よりも人身売買の取引額の方が多いというほど、
よくある犯罪なのだそうだけれど、なんだか信じられない。
日本はやっぱり平和ボケ、なのかなぁ。

「QUEST2:親愛なるアントニアへ」
あるマフィアの幹部から警護を頼まれたキートン。
依頼主は、住んでいた家にあった、ユーゴスラヴィア紛争で
敵味方に分かれてしまった恋人からの手紙を見つけて、相手に届けたいという。
なぜその手紙を届けたいのかと問うキートンに、
マフィアの幹部は、あの戦争の責任は俺にある、という。
戦争のきっかけとなったと言われるサッカーの試合で、暴動を起こさせたのが彼だったのだ、という話。
これまた、こんな大きな戦争を体験していない私たちの世代としては、なんとも言えない話。
自分の軽率な行動が多くの人を殺す戦争を起こしたりしたら、
その後どう責任を取ることができるんでしょうね。

「QUEST3:マリオンの壁」
全8話中2つあるちょっとほのぼの系の話の一つ。
トロイア伝説の謎解きを絡めながら、
キートンが昔お世話になった先生と、離婚したその先生の奥さんとが、またくっつく話。
トロイの木馬はどんなのだったか、という謎解きが一番の胆なんだろうけど、
この辺りは全然詳しくないので、ほ~、と感心しただけ。
話の最後に、娘の百合子ちゃんがキートンと同じく、理由もなく離婚したことが判明。

「QUEST4:ハバククの聖夜」
北アイルランド紛争解決から15年を機に、番組制作をしている日本人から、
取材を依頼した人にキートンを連れて来いと頼まれて。。。というところから始まる話。
本編でもIRAの話が合ったけど、今回のもまた、内戦やスパイの問題で、
まだまだこの問題が解決したわけじゃない、というのが言いたかったのかな。
木造の小屋の外に、新聞紙を凍らせただけで銃弾をはじくって本当だろうか。
さすがに浦沢直樹も実験したとは思えないけど。。。

「QUEST5:女神とサンダル」
名物おじいちゃんが登場して、家族の昔を振り返るというやつ。
おじいちゃんの友達、と言われて警護していた女性が、
実はおばあちゃんがいなかったときによく料理を作りに来てくれて、
自分がおばあちゃんの味、と思っていたのが彼女の料理だった、というのを思い出して、
いろいろとうまくいかない研究のことをまた頑張ろうと前向きになって終わり。
それにしても、謎の怪しいおじさんがやってたのはワシントン条約違反のランの密輸!!
マニアックだ。

「QUEST6:オオカミ少年」
行方不明の父を探してほしい、という若い女性からの依頼。
父親探しの途中で出てくるのは、彼が意図的に自分の正体を伏せていたことと、
友人の一人とされる謎の人物。
おそらくロシアのスパイだったと思われる父親を殺したのは、
その友人だろうとあたりを付けていたところに、MI6からの邪魔が入る。
その友人がMI6のスパイで、当初尊敬しあっていた二人が、
父親がオオカミ少年の話を例に、スパイがくだらないと言ったことがきっかけで、
二人の関係は決定的に変化してしまった、という話。
本編でもスパイの話は多々あったけれど、これはそこまででもないかなぁ。

「QUEST7:マルタ島の女神」
前話の若い女性に勇気づけられて、百合子ちゃんに会いにいったキートン。
百合子ちゃんは、発掘したい遺跡に入るのを、
なぞなぞを解かないと入らせないと言われてうまくいっていない。
そこに登場したキートンが鮮やかになぞなぞを解いて、入って行った遺跡の中に、
なかなか周りが認めてくれないキートンの学説を裏付けてくれる発見があった。
離婚した娘を心配する父親と、父親の研究が認められないことを心配する娘が、
辛いことを半分に、嬉しいことを倍にした、という話。
これが最後の話じゃないのが、マスターキートンなんだよなぁ、という。。。

「QUEST8:栄光の八人」
キートンが軍にいたころの友人たちが、裏切りで殺しあってしまう話。
なんか仲間の中でだんだん人が死んでいく、というパターンも本編でもよくあったので、
予想通りの展開だったのだけど、救いだったのは最後の2人が死ななかったことかな。
戦争は何が善で何が悪かわからなくする、という言葉が重い。

今回、とにかく厚かった。
ものすごく救いがない、ということもなく、明るくほがらか、というわけでもなく。
まさに平均的なマスターキートンだったのかも。
という感じで、評価は○(5段階評価の真ん中)です。



良かったらぜひ押してください↓
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ にほんブログ村 本ブログへ


スポンサーサイト

Comment:0  Trackback:0
トラックバックURL
http://monogatarigatari.blog.fc2.com/tb.php/202-b5d63862
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。