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2016年11月10日 (木)

ゴールデングラブ賞の選考基準!?

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各ポジションで最も守備の上手い選手を投票で決める
守備のベストナインことゴールデングラブ賞が8日、発表された。最多得票はセの二塁手部門で選ばれたカープの菊池涼介257票。納得の人選だろう。因みに菊池が所属するカープからは菊池の他に捕手の石原慶幸、外野手の丸佳浩、鈴木誠也も選ばれて両リーグ最多の四人が受賞。パではそのカープを日本シリーズで破ったファイターズから捕手の大野奨太、一塁手の中田翔、外野手の陽岱鋼の三人が選ばれ、こちらもリーグ最多になった。


ところで、敗戦処理。は以前から疑問に思っているのだが、ゴールデングラブ賞の選考基準ってどうなの!?


(写真:2016年のゴールデングラブ賞受賞選手の中で最多得票となったセ・リーグ二塁手部門のカープ・菊池涼介 2016年8月撮影)



ゴールデングラブ賞は日本の報道機関(新聞社、通信社、放送局)のプロ野球記者で、
5年以上の取材キャリアを持つ者による投票で、投手は規定投球回数以上投球している、または所属チームが行った年間試合数の3分の1以上登板している投手の中から、捕手、内野手、外野手は、チーム試合数の2分の1以上同じポジションで出場している選手が対象となり、リーグごとに各ポジションで最も守備の上手い選手を選ぶものである。


敗戦処理。が以前から疑問に思っているのは最も守備の上手い、の基準である。


対象要件を満たす選手の内、最も守備能力の高い選手を選ぶのか、最も高い守備力を発揮した選手を選ぶのかということである。さらにいえば、投票者は全て同じ基準で投票しているのかということ。


わかりやすくいうと、前者は投票者が選ぶ、守備能力の高い選手である。例えば外野手なら最も守備範囲が広いとか、最も肩が強いとか、その選手の能力で判断することを指す。


これに対し後者は、その守備範囲の広さ(肩の強さ)を活かして最も多く守備で貢献した選手を選ぶということである。


前者の場合、上述の対象要件さえ満たしていれば、試合数の多い少ないは関係ない。一番上手い選手が選ばれる。しかし後者の場合はより多くの試合で守備に付き、一つでも多く打球を処理して守備で貢献した選手が選ばれる。


おおかたは前者の基準であろうと後者の基準であろうと同じ選手が当てはまるのだろうから問題ないだろうが、そうでない場合はどうなのか?


例えば、パ・リーグの外野手部門で柳田悠岐は昨年ゴールデングラブ賞を受賞したが、今年は選ばれなかった。柳田の守備は昨年に比べて今年はダメだったのか?そうではないだろう。推測だが「今年の柳田はフル出場していないから」ということでシーズンを通して出場していた秋山翔吾、陽岱鋼、糸井嘉男より票が少なかったのではないか?


だとしたら、投票する人は後者の基準で選んでいるということになる。でもそれは守備が最も上手い選手であるとは限らない。


もっとはっきり固有名詞を出せば、岡田幸文が2012年を最後にその後ゴールデングラブ賞を受賞していないのはおかしいだろう!?という見方だ。岡田は今季も対象要件を満たしていて、パ・リーグの外野手部門で6位に当たる48票を得ている。岡田に続く7位がチームメートの角中勝也35票も入っているのは見なかったことにするが、前者の基準だったら要件さえ満たしていれば毎年選ばれても不思議でない選手だ(さらにいえば岡田より西川遥輝に多く票が入っているのは…以下自粛)。


NPBのホームページではゴールデングラブ賞を「守備のベストナイン」と形容している。だからといってそのベストナインはポジションごとの打撃の良い選手を選んでいる訳では必ずしもないが、打撃成績という数値化されたデータを根拠の一つにしている投票者は多いだろう。


また、沢村栄治賞は本格派の先発完投型投手で、かつての故・沢村栄治投手を彷彿とさせる党首を選ぶ物だが、実際には数値で表される7項目の選考基準がある。どちらも能力が高い事で選ばれるのでなく、能力を発揮して数値で表された結果で選ばれる。


ゴールデングラブ賞も実際に高い守備力を発揮した選手が選ばれているのだろうと思うが、そのように投票の基準が定められているのだろうか?その場合、守備範囲の広さを売りにしている外野手は刺殺数の多さでアピールできるが、肩の強さ、スローイングの正確さと早さを売りにしている外野手は補殺数の多さでアピールできるが、走者が無理に次の塁を狙わなくなると補殺数が伸びないというジレンマもある。これは捕手の盗塁阻止率でも同様の現象が起こりえる。


かように守備力というのは、その発揮度合いを数値化しがたいものである。いわゆるセイバーメトリクスではuzrという指標で語られることがあるが、それによる評価は前者なのか後者なのか?


こんな事を妄想するのは敗戦処理。くらいかもしれないが、ゴールデングラブ賞は考えれば考えるほど奥深く、守備力って何だという疑問に簡単に答えは出ないと思う。


最後に今日のオマケ。


敗戦処理。がリアルタイムに見た、各ポジションで最も守備の上手い選手

投手 堀内恒夫
捕手 中尾孝義
一塁手 山本功児
二塁手 デーブ・ジョンソン
三塁手 古屋英夫
遊撃手 山下大輔
外野手 屋舗要、ジム・ライトル、陽岱鋼

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コメント

お気持ちは分かりますが、「投票」とはそう言うものです。

>かように守備力というのは、その発揮度合いを数値化しがたいものである。いわゆるセイバーメトリクスではuzrという指標で語られることがあるが、それによる評価は前者なのか後者なのか?

>こんな事を妄想するのは敗戦処理。くらいかもしれないが、ゴールデングラブ賞は考えれば考えるほど奥深く、守備力って何だという疑問に簡単に答えは出ないと思う。

だからこそ「投票」と言った、曖昧で、いい加減で、非論理的な方法で選んでいるのです。もし、明確な基準の元で判定できるなら、人間が評価する必要はありません。計算機にやらせれば良いのです。

各プレーを解析して、査定値を出して、計算させればいい。

しかし、現実にはセイバーメトリクスも発展途上だし、特に守備の査定は遅れています。なので、そこは「人の印象」の方が精度が高いのです。もちろん、いずれセイバーメトリクスが発達すれば、変わるかもしれません。

そして、投票である以上、敗戦処理。さんの意見は「一票の重み」しか持ちえません。それ以上重くもないし、軽くもありません。仮に敗戦処理さんが選考委員であったとしてもです。なので、敗戦処理さんの意見は尊重しますが、岡田に48票しか入らない事を批判しても、どうにもならないし、そこにも「それぞれの意見や主観」があるのです。

オイラがセイバーメトリクスを支持するのは、単に「そちらの方が査定精度が高いだろう」とオイラ個人が判断してるからです。もっと正確に査定できるなら、その方式を採用します。

もちろん、角中や西川の投票数は疑問に感じるかもしれないし、間違ってもラミレスやマートンにオイラが投票する事は無いでしょう。実際ラミレスは「球団やファンは俺(ラミレス)にゴールデングラブは期待して獲得してないだろう?」と発言しています。でも、だからと言って他人の投票を批判して良いものでもありません。

それが投票と言う方式です。選考基準さえ満たしていれば誰に投票しても良いのです。

似たよう事は例に出ている「沢村賞」にも言える事です。「沢村賞」も投票によって決定します。そして以前「江川・西本」論争と言うのがありました。成績では江川が上位とも言えるのに、何故か投票では西本が選ばれたのです。

当時江川は相当不本意で、選考委員に理由と聞いたそうです。回答は「沢村賞には人格も含まれる」との事でした。つまり「空白の一日」を選考委員は根に持っていたのです。江川は憤慨し、西本との確執も…いろいろあったそうです。

でも、それが投票と言う制度です。曖昧でいい加減、非論理的で、でもそれでしか決められないから「まあ仕方がないから決を取ろう」と言う事で決めている方式なのです。

まあ基準が曖昧なのは分かりますが。

でくのぼう様、コメントをありがとうございます。

> だからこそ「投票」と言った、曖昧で、いい加減で、非論理的な方法で選んでいるのです。もし、明確な基準の元で判定できるなら、人間が評価する必要はありません。計算機にやらせれば良いのです。

これはやっぱり、私の表現力の無さで、伝わらないのでしょうね。

投票は確かに非論理的かもしれません。投票者の主観で選ぶ訳ですから。

私が言いたかったのは、主観であっても、基準がきちんと統一されていれば、その先は主観であっても、多数決で決めればいいわけで。

例えば、セ・リーグの二塁手部門はカープの菊池が選ばれましたが、ジャイアンツのクルーズに1票だけ入っています。

推測ですが、クルーズの投票した人は、クルーズの方が菊池より守備が上手いと判断したのでしょう。

確かに、クルーズは菊池でもアウトに出来ないであろう打球をもアウトにしてしまうことがあります。能力的にはその人にはクルーズの方が菊池より上だと思ったのでしょう。

その意味では山田哲人に票を入れた7人より私はクルーズに入れたただひとりの人の方が見る目があるように思います。

ただし、もしも本当はクルーズの方が菊池より二塁守備が上手かったとしても、二塁手として72試合の出場で427の守備機会だったクルーズよりも、二塁手として141試合出場して836の守備機会の菊池の方が守備力をより発揮していたことは明らかですから、菊池の投票する人が多い訳でしょう。

私が言いたかったのはこういうことなのです。


わかりづらくてすみませんでした。


西本聖の沢村賞の件は覚えていますよ。

>わかりやすくいうと、前者は投票者が選ぶ、守備能力の高い選手である。 ~ これに対し後者は、その守備範囲の広さ(肩の強さ)を活かして最も多く守備で貢献した選手を選ぶということである。
>いわゆるセイバーメトリクスではuzrという指標で語られることがあるが、それによる評価は前者なのか後者なのか?
それらを数値化するならば前者はUZR/1000、後者はUZRとしてその違いを説明できるかと思います。僕はそこまで選考基準を考えてはいなかったのですがゴールデングラブ賞として選ぶのにどちらで決めるべきかを問われたならばどちらかと言えば後者で決めるべきと思います。やはり試合に出て守備による貢献度の大きさこそ評価されるべきでしょう。ただ受賞対象者には規定試合数という一定の基準が設けられていることも考慮し前者基準で選ぶ人がいたとしても否定はしません。中にはこの両方のバランスを取って選ぶ人もいるでしょう。

僕はこの選考基準問題を深く考えたことはなかったのですが、その理由としてそれ以前にNPBのゴールデングラブ賞の選考結果が酷過ぎて、どっちの基準で見ても相応しくない人が選ばれてしまっていることのほうが大きな問題と思うからです。これは昔からあったであろう問題ですが近年で言うなら去年の鳥谷、今年の村田なんかは上位どころか下位の部類の選手と言わざるを得ません。福良なんかスポーツ紙で糸井を選んだ記者を真っ向批判していました。

たしかに昔は守備力を数値化するのは無理だったからと言い訳できなくもありませんが、もう今はネットでUZRが公開されている時代です。打撃成績を見てベストナインを決めていたのと同じように、UZRを見てゴールデングラブ賞を選んでも何らおかしなことではないでしょう。たいした試合を観てない記者のイメージで決められるくらいならUZRだけで決めたほうがまだマシかもしれません。サンプルサイズでこそケチをつけられることはありますがそれだけUZRは完成された守備指標と言えるものなのです。

UZRはどうやって出された数値なのかが広く理解されていないものと思いますので本を紹介させていただきます。僕がUZRをメカニズムを理解するのにおすすめの本は「勝てる野球の統計学 セイバーメトリクス」この本には一部分ではありますがUZRの計算方法が載っています。そして本ではありませんがテレビ番組ではNHK-BS1の「ザ・データマン」で丸々UZRを扱ったことがありここまでセイバーメトリクス指標に踏み込んだ特集というのは数多く野球ネタがある中でも画期的な回でした。もう放送されることはないでしょうがどこかで見ることができたなら全ての野球ファンにおすすめしたい番組です。  「20130824 UZR」

P.S. 選考基準とは少し違いますがゴールデングラブ賞への改善案として外野のポジションはレフト・センター・ライトに分けてほしいですね。わりかしレフト・ライトは下に見られがちですが両翼にもそのポジション特有の難しさがあり守る側の守備技術があるものです。

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