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 日印両国の首脳が11日、インドへの原発技術の移転や輸出に道を開く原子力協定に署名した。被爆地の広島、長崎や「脱・原発」をめざす市民団体関係者からは、核兵器を保有するインドとの連携に懸念する声が相次いだ。東京電力福島第一原発事故の収束も見通せない中での協定締結に批判も根強い。

 「被爆者として、耐えられない」。広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(72)は、インドが核不拡散条約(NPT)に非加盟の核保有国である点を踏まえ、再処理済み燃料などが核兵器開発に転用される事態を懸念。今回の協定について「核の拡散はNPTの趣旨に反するし、再び核被害者を生むことにつながる」と批判した。

 国際交流NGO「ピースボート」の活動でインドを昨年訪れ、広島での被爆体験を語った埼玉県志木市の三宅信雄さん(87)も「海外輸出なんてとんでもない」と憤る。「日本はヒロシマ、ナガサキ、フクシマの経験を原点に核をなくす努力をすべきなのに。人間では制御できないことは福島の原発事故が証明している」と話す。

 オバマ米大統領が原爆を投下した国のトップとして初めて広島を訪れ、安倍晋三首相とともに核廃絶を訴えてから約半年。広島市の松井一実(かずみ)市長は11日夜に談話を出し、「核物質や原子力関連技術・資機材の核兵器開発への転用の懸念は残っている」と指摘。NPT体制への早期加入をインドに働きかけるよう日本政府に求めた。

 長崎の被爆者で、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(76)は「協定は民生用に限るとしているが、インドがこれまで民生用に回していた核開発の能力を、軍事目的に回すことができるようになる。結果的に核兵器の増産に協力することになる」と懸念する。「核兵器を手放せば日本も協力するというのなら筋が通るが、それなしに協力するのは、被爆国としておかしい」と批判した。

 長崎県内の五つの被爆者団体は…

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