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仕事ができない老害オヤジの話

創作 日常

「困った人」の説得術

※この記事はフィクションです、多分
※“オヤジ”は特定の個人を指します、多分

アホなオヤジが仕切っている仕事は、バカバカしくとてもめんどくさいということを以下に書くので諸氏は参考にされたい。



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残業

まずあたまがわるいオヤジが仕切ると何が大変かというと「残業で頑張れば仕事が終わる」という見込みで仕事のスケジュールを組み立て始める。
これが非常に迷惑。
残業というのは、通常業務を行い、それでも終わらなかった場合非常手段として行う。
残業が過多になるのは人手が足りていない証拠であって、残業しないと仕事がこなせないスケジュールは下の下。

ところがあたまがわるいオヤジは
残業=仕事を頑張ってる
だと勘違いしてる。
高度経済成長期か、今は。

オヤジはいつも「いやー今日も残業かー」と背伸びしつつタバコを吸いに行く割に毎日残ってる。
だったら仕事やれや。
噂に聞いたが、たまに業務の最中寝てることもあるのだそうで……マジか。

なのでサクサク仕事を終わらせて定時で帰ろうとするとオヤジは不機嫌になる。
残念ながらオヤジより仕事はできるし、こなしてる業務量は多い。
なのに「残業しないの?間に合うの??」と言い出す。

いや、お前の仕事は業務の進捗管理だろ。
間に合うか間に合わないかなんでわからんのだ???
アホだ。アホすぎる。

EXCEL

だからといって自分の仕事が速いわけでもない。
オヤジの仕事は遅い。
どれだけ遅いかというとEXCELという表計算ソフトを使いながら電卓を叩いて一つ一つ計算し、数を打ち込んでいるらしい。
なにせオヤジのEXCELには関数がどこにもない。
SUM関数すら無い。
IFなんて使えるわけがない。
表計算機能を発揮しないEXCELの誕生である。
フィルターを使うと余計な数字が入ってきたりもする。
オヤジはフィルターをよく理解していないのかもしれない。

そしてEXCEL方眼紙を多用する。
これも非常に疲れる。

業務上、オヤジが仕切る共有ファイルを使わないとならない。
その共有ファイルには大きな特徴がある。

OYAJI_16年11月4日更新.xlsx

フォルダの奥底にしまいこんだ共有ファイル名に更新日を入れてる。
この名前のせいでショートカットを作っても更新日が変わり機能しない。
仕方がないので更新ファイルが入っているフォルダのショートカットを置いている。

そもそも共有ファイルが最新なのは当然。
最新でないファイルは使わないんだから。
オヤジが共有ファイルの更新を行い最新にしておけばいいだけ。
ファイル名に更新日を入れる必要性は一切ない。
なのに入れてる。

仮にいくつもファイルが有り、日付によって探さなければならない……ならファイル名に日付を入れるのもわかるが、ひとつしか無い共有ファイルの名前に更新日を入れる理由は未だに理解できない。

なのにオヤジには共有するという意識がないらしく、勝手にセルを塗ったり文字色を替えたりする。
しかしその意味はわからない。
かつて必要だったが今は必要なさそうな項目も残っているがそのまま放置され、アルファベットは全角と半角が入り交じるので“ABC”しかないのにフィルターをかけるとなぜか“AABCC”の5つになる。

業務的に消す必要があるモノもあるんだが、その場合は打ち消し線で消してる。
フィルターを使うときに邪魔という発想はないらしい。
こういうときこそ作業行でも増やせばいいのに……。

やたらと何でもかんでも管理したがるので無意味な入力がとても多い。
「○○くん、入力しておいて」
いや、とっくに全部入ってるんだから、チェックしてから言え……そのくせ自分がやらなきゃいけないところは全然スカスカだけどな。

進捗管理

オヤジは業務全体の進捗を管理しているのだが、ほぼ管理できていない。
要は

進捗管理というファイルをチェックしている=進捗管理という業務」

だと思っているらしい。
自分のスケジュールは自分で管理しているので、オヤジが一週間休んでも一切困らない。
代わりに進捗を管理しろと言われれば業務量を換算してマイルストーンを考え、一人辺りの業務量とペースを考えるが……具体的に考えると毎日残業しても無理なのが見えるので考えないようにしている。
というかそれはオヤジの仕事なので破綻しようが知らない。

最近は、どうやってデスマーチから逃げるかばかり考えている。

言いたがり

仕事ができない(覚えが悪い)若手がいるんだが、ともかくオヤジは若手の仕事に口を挟みたがる。
若手の後ろに立って腕組みをして肩越しに覗き込んでる。
残業しまくってんのにヒマか、お前は……。

しかしオヤジは結局よくわかっていないのでウチに振られる。
「そこは○○くんに聞くんだよ」
いやいや、だったらお前が教えろ。

なのに知ってることは言いたがる。
「それは違うよ!○○は☓☓だろ!!」
突然偉そうにドヤ顔。
だったら最後まで教えろ……。

上に弱く下に強い

オヤジは上に弱い。
上に弱く下に強いので何か指示されると極端に指示に従おうとする。
どーでもいいような些末な仕様が途中で変わった場合、安定性や事故を考えれば使用の変更は適用時以降で充分。
それ以前のものに適用しなくても問題ない。
適用するほうが事故の可能性が上がる。

しかしオヤジはそういう視点で見れない。
「変更された仕様は全てに適用されねばならない」

……いやいや。
そういう仕様変更じゃないだろ。

無駄だと言っても「それはめんどくさいからそう言ってるんだろ?」としか受け取らない。

そもそもその仕様変更が大して必要じゃないのはオレが何日も前に言ってたんだが、その時はスルー。
同じことを上から言われると途端に適用させようとする。
実にわかりやすい独断専行。

さすがに無駄すぎるので
「仕様変更適用してもいいですけど、だったら適用範囲確認してもらっていいですか?」
と言ったのに、その確認結果は未だに返ってこない。


そして無意味な仕様変更に何時間も費やす。
ただでさえ間に合わない仕事の量が更に増える。

ぜつぼう

だったらお前がオヤジにキチンと言ってやれよという声が聞こえそうだが、初めっから言っている。
さんざ言ったが疲れた。

オヤジは聞く耳を持たない。
年長者だから権威がある、偉いと思っているらしい。
丁寧に説明もしたが、あたまがわるいので何を言っているのか伝わらない。
最近では1時間も残業をしてやればニコニコしているので、無駄に残業をすることにしてる。
なにせ仕事をサクサクこなすとオヤジの手柄になってしまうので破綻させてやりたいが、そうすると他の人間の負担が増えるのでそれは困るアンビバレンツ。

若手が仕事を覚えられないなら覚えるまで丁寧に教えてもやるが、オヤジ相手に仕事のやり方を教えても今さら学習意欲もなく何一つ聞かない。
もはや吸収する余裕もスペックもない、成長もしない。
どうしようもない。


こんな間近で「老害」を地で行く人間を見ることになるとは思わんかった。
今日も独り言がうるさかった。
もういろいろ諦めている。
年功序列って害悪だわ。

もちろんフィクションです。