「イヤよイヤよは嫌なんです」性暴力被害者が前向きに生きられる日本に!

私が新入社員の時でした。営業成績ダントツトップの隣の部の部長に、営業について教えてあげると言われ、同行した帰りに無理やり性行為を求められました。

「嫌です」と言っても聞き入れてくれない。就職氷河期にやっとの思いで入った会社の上司と新入社員という関係で、これ以上どう断ったらいいか分からず頭が真っ白になりました。行為が終わったあと、自分の体に洗っても取れない汚れがつき、何の力もないと感じ、この世から消えたくなりました。私はこの日起こったことを、誰にも相談できませんでした。

当時22歳だった私はその後ずっと「自分が悪かった」と責め続けていました。15年経ち37歳になって初めて、近しい友人たちに自分の経験を話すと「あなたは悪くない」とみんなが力強く言ってくれたのです。「私も同じようなことがあったよ」と話してくれる人もいました。そして日本では私の経験は「嫌と言ったが命を懸けて抵抗していない」ので性犯罪にならないが、海外では「同意がない性行為は犯罪」とされていることを知りました。今もあのことを夢にみて恐怖に襲われる夜がありますが、怖がっているのではなく日本の状況をなんとかしたいと思うようになったのです。

日本では異性から望まない性交を強要された女性が、警察に相談する割合はわずか4.3%(注1)。被害者の殆どの人は「自分が悪い。自分が責められる」と思い、誰にも相談しないで胸にしまっています。

なぜ日本は性犯罪が諸外国ほどに罰せられず、また被害者が相談できない状況なのでしょうか。その原因の一つが刑法です。刑法は今から100年以上前の明治40 年に作られたものです。この法律は女性が一人もいない国会で作られ、被害を受ける人の傷つきではなく、家の名誉や血統が侵害されることのほうを重んじる視点で作られています。そして、刑法の性犯罪に関する条文は制定されてから100年以上、ほとんど改正されていません。

しかし、この状況に風穴を開けるチャンスが出てきました。法務省は刑法の性犯罪に関する部分の改正を検討し始めており、2017年1月頃に国会で改正案が提出される可能性が高まっています。これは、刑法を変える100年越しのチャンスです!

でも被害の多くは、冒頭の私の経験のような職場や学校の上下関係、親類などの関係を利用したもので(注2)、今の改正案では殆どが無罪になってしまいます。そこで、この秋から私たちは政治家の方々に会い、より多くの人々が救われるような刑法改正を働きかけていきます。そこには、皆さん一人一人の、刑法改正を求め、応援する声が必要です!

そして刑法改正だけでなく、性犯罪が罰せられ、被害者が前向きに生きられる日本を実現していきたいです!ぜひ、賛同とシェアをお願いします!

 

(注1)2014年内閣府調査

(注2)上記調査において異性から無理やりに性交されたことがあった人に、加害者との関係を聞いたところ、65.9%が「知り合い」と回答しています。

 

<刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト主催団体>
明日少女隊
NPO法人しあわせなみだ
性暴力と刑法を考える当事者の会
ちゃぶ台返し女子アクション
(五十音順)

 
<参考情報>
▼法制審議会-刑事法(性犯罪関係)部会(法制大臣へ答申を出した会)
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingikai_seihan.html

▼性犯罪の罰則に関する検討会(法制審議会の前提となった会、暴行脅迫要件なども検討されていた)
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00090.html

▼2014年内閣府調査 男女間における暴力に関する調査
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/h26_boryoku_cyousa.html

 

賛同者の署名は以下の宛先へ届けられます
  • 法務大臣
    金田勝年
  • 国会議員の皆様

    刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト さんはこのキャンペーンを賛同者1名から始め、今では13,732名の賛同者を集めました。あなたも、変えたい課題に対して、キャンペーンを始めてみませんか?