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テテュス達の日常 作者:来世の郷音
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第一話

「あっつい…」
 雲一つない快晴の空を見上げて少女はため息をついた。足元には全身からフォトンの光を放ち姿を徐々に消していくこの惑星の原生生物『だった』ものの死骸が2,3と転がっていた。
 惑星ナベリウス。人類と意思疎通できる生命体がいない自然豊かな惑星。その森林部の奥部で機械の少女は任務を行っていた。
 愛用の☆13双小剣武器『S.CNスタッグ』から今まで斬ってきたエネミーの血を滴らせて森林奥部で空を仰ぐ機械少女の姿は返り血が所々ついており、ともすれば幻想的だが普通の人類なら猟奇的に見えることだろう。しかし、オラクル船団アークス、そこに所属しているアークスならこれが日常である。
「はやく討伐対象のロックベア倒して帰って寝よ…って今日は検査の日か…。なるべくけがしないようにしないとなぁ」
 そうゆったりと思いにふけっていると周りの地面から黒い甲虫の脚が胴部が生えてきた。その数およそ10。続々と地面から湧き出してくるエネミー。『ダーカー』と呼ばれるアークスの重要討伐対象の一種、蟲型ダーカー、『ダガン』だ。
 しかし機械の少女は一切慌てることはなくむしろ体の力を抜いて
「なんでこう人が早く帰りたい時に限って出てくるのか、なあっ!!」
   飛び込んだ

 少女はあらかじめ力を抜いていた左の手で抜き手の要領で手前にいたダガンの頭部を刺突しそこを軸に体を逆時計横回りで跳躍、刺突したダガンの頭部をねじ切り右手に持った方の小剣で周りのダガンの脚部を切り裂く。バランスを崩されたダガンが倒れる前に回し蹴りで打撃し残る数体のダガンに向かって吹き飛ばし吹き飛ばされたダガンは他のダガンにぶつかりながら絶命、ぶつけられたダガンは反動でさらに吹き飛ばされる。そうして散らばったダガン達に少女はゆっくり一体一体トドメを刺す。討伐完了だ。

 絶命したダガン達が不気味な煙とともに姿を消すのを見届けた少女は
「さ、今度こそロックベアの所に急ごっと」
何事もなかったかのようにロックベアと呼ばれるエネミーのもとに歩みを進めた。
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