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[東京 26日 ロイター] - 自民党の特命委員会は今週中にも、介護・旅館・農業など労働力不足が予想される分野で、外国人を労働力として受け入れるよう政府に求める提言をまとめる。急速に進む少子高齢化で労働力不足が深刻化し、「移民政策は採らない」と否定してきた安倍晋三内閣も、本格的な外国人労働力の受け入れに政策転換する可能性が高まっている。
<自民党特命委が外国人受け入れを提言へ>
自民党は今年3月、「労働力確保に関する特命委員会」を発足させ、外国人労働者の受け入れを中心とした議論を開始した。これまで5回の会合で議論を進めてきたが、今週中にも提言をまとめ、政府に提出する。
同委員会の発足にあたり、木村義雄委員長は「50年来のタブーを破って、外国人の労働力としての受け入れに関する議論に踏み込む」と述べていた。
特命委の初会合に講師として参加したモルガン・スタンレーMUFG証券チーフ・アナリストのロバート・フェルドマン氏は、ロイターの取材に対し「日本政府は、実質的な移民政策に向かっている。『移民』という言葉には慎重だが、優良な住民となる可能性の高い、定住を希望する外国人を受け入れたいと思っている」と指摘する。
同委員会の最高顧問である村上誠一郎衆院議員は、ロイターに「日本経済の問題は、潜在成長率が低いことにある。潜在成長率を高めるためには、人口政策や移民政策を含めて、大胆な構造改革や規制改革が必要」と述べた。
<すでにかじを切った政府のスタンス>
菅義偉官房長官は今月、ロイターとのインタビューで「日本経済が中長期的に成長していくためには、労働人口を維持し生産性を上げていかねばならないということが一番の鍵だ」としたうえで、「外国人受け入れについても大きな問題だと認識している」と述べている。
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