高校で生徒どうしのけんか ナイフで刺し逮捕

高校で生徒どうしのけんか ナイフで刺し逮捕
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17日昼ごろ、東京・千代田区の私立高校で、男子生徒どうしでけんかになり、このうちの1人がナイフで相手を刺したり、止めに入った生徒や教員を切りつけたりして、3人が軽いけがをしました。男子生徒は傷害の疑いで逮捕され、警視庁が詳しいいきさつを調べています。
17日正午すぎ、東京・千代田区にある私立の「暁星高校」で、16歳で高校1年の男子生徒どうしがけんかになり、このうちの1人が刃渡り10センチほどのナイフで相手の肩のあたりを刺しました。
その後、生徒は、けんかを止めようとしたほかの高校1年の男子生徒や49歳の男性教員にも切りつけました。
警視庁によりますと、3人はいずれも軽いけがをしたということです。
生徒はその場で教員に取り押さえられ、傷害の疑いで逮捕されました。

警視庁のこれまでの調べで、けんかは自習の時間に教室内で起き、調べに対し、生徒は「2人からからかわれたので、カッとなってやった。ナイフは家から持ってきてカバンに入れていた」と供述しているということです。
警視庁は生徒から事情を聴くなど詳しいいきさつを調べています。
「暁星高校」は「教育現場としてあるまじきことで、原因の究明と再発防止に努めたい」とコメントしています。

切りつけた生徒の保護者 学校に複数回相談

暁星高校の神田信之副校長は17日夜、報道陣の取材に対して、切りつけた男子生徒の保護者から「友人関係などで苦しんでいるのではないか」といった相談が、ことしに入って複数回、学校に寄せられていたことを明らかにしました。

神田副校長によりますと、切りつけた男子生徒は、中学校から入学し、中学3年の終わりごろのことし春に、生徒の保護者が直接相談にきたということです。
相談では、日ごろの生徒の様子を心配した保護者が「息子は自分のことを周囲に伝えることが上手ではなく、友人関係など学園生活で苦しんでいるのではないか」といった内容の話をしたということです。

保護者からの相談はその後も3、4回あり、これを受けて学校では、生徒本人とも面談をしましたが、本人はあまり話さなかったということです。
神田副校長は「事件が起きた今、まだ学校にもやれたことがなかったのか悔しく思います」と話しました。

暁星学園「早急に原因調査」

事件があった暁星高校を運営する暁星学園の和田信之事務長は、報道陣の取材に対して「教育現場としてあるまじきことで、早急に原因を調査したい」と話しました。

和田事務長は午後5時すぎに報道陣の取材に応じ、当時の状況や今後の対応について説明しました。
それによりますと、切りつけた生徒と被害を受けた生徒は、1年生の同じクラスで、17日は数学の自習時間にトラブルになったということです。
学校では、今回のトラブルにつながる要因がなかったかなど、詳しいいきさつを確認するため、今後、担任などに聞き取り調査を行う方針です。
また、17日夜、緊急の保護者会を開いて説明するとともに、18日から予定されていた中間試験を延期するということです。
和田事務長は「教育現場であるまじきことで、申し訳ない。速やかに調査をするとともに、再発防止に努めたい」と話していました。