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縄文人「核ゲノム」 三島・遺伝研教授ら一部解読

(2016/9/1 07:10)

 国立遺伝学研究所(三島市)の斎藤成也教授(59)=同市=らのグループが、縄文人の細胞内に存在する「核」のDNA配列「核ゲノム」の一部を初めて解読した。縄文人の進化の歴史に加え、日本人の起源の解明にも期待が掛かるという。1日付の国際科学誌「ジャーナル・オブ・ヒューマン・ジェネティックス」電子版に発表した。
 斎藤教授によると、遺伝情報を伝えるDNAは細胞内の「核」と「ミトコンドリア」とに存在しているが、ミトコンドリアの一部の配列しか分かっていなかった。斎藤教授らは、福島県北部の三貫地貝塚から出土した縄文時代の人の奥歯からDNAを取り出して解析した。
 縄文人のゲノム情報を、現代人を大きく分類した「アフリカ人」「西ユーラシア人」「東ユーラシア人」と分けて比較したところ、東ユーラシア人に近かった。進化の系統を調べると、古代の東ユーラシア人が幾つかの集団に分岐する過程の中で、縄文人が最初に分岐したことも判明した。時期は少なくとも約1万5千年前以前の可能性が高いという。
 また、縄文人のゲノム情報を現代の日本人と比較したところ「アイヌ人」、「オキナワ人」、両者を除いた「ヤマト人」のうち、「アイヌ人」に近く、「ヤマト人」とも遺伝的な共通性が確認されたという。
 斎藤教授は「これまでに得られている古代や現代の人々のDNAデータも活用し、日本周辺の古代人の移動や混血の歴史を一層明らかにしたい」と見据えている。

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