相模原事件容疑者は安倍、百田ファン?

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 相模原の障がい者施設で起きた大量殺人事件は、死者19人という戦後最悪の事態となった。しかも、容疑者は「障害者なんていなくなればいい」と供述していると伝えられており、その差別思想に基づいた残虐な行為には憤りを禁じ得ない。

 ところが、このニュースに、ネトウヨたちがまたぞろ「犯人は在日」「在日によるテロ」などという根拠のないデマをわめきたてている。

「聖は在日韓国人が好む漢字だろ」「松という字は、キムを姓とする在日が好む姓だよ」「元職員だそうだな、在日雇ってたんだか」「いかにも在日っぽい風貌」「在日によるテロが毎日のように行われているのに、その元締めの民団総連をなぜ放っておくんだ?」

 凶悪事件が起きるたびに繰り返されるこの差別的なデマの拡散、ヘイトスピーチはどうにかならないものか。

 そもそも、今回の事件に関しては、「容疑者はネトウヨ」というほうがまだ事実に近いのではないか。

 たとえば、容疑者がツイッターでフォローしていた有名人を見てみると、安倍晋三、百田尚樹、橋下徹、中山成彬、テキサス親父日本事務局、ケント・ギルバート、上念司、西村幸祐、つるの剛士、高須克弥、村西とおると、ネトウヨが好みそうな極右政治家、文化人がずらりと並んでいる。

 また、その中身も、最近、右派発言が目立つ村西とおるの「米軍の沖縄駐留は平和に大きく貢献している、米軍がいればこその安心なのです」という発言をリツイートしたり、「在日恐い」「翁長知事にハゲ野郎って伝えて!!」といった、ネトウヨ的志向がかいま見えるツイートも散見される。

 もちろん、ネトウヨ思想を持つものがすべて凶悪事件に走るわけではないし、この事件については、障がい者施設の職員の劣悪な労働環境という根深い構造的な問題もある。また、責任能力の問題というのも今後は焦点になるだろう。これらの問題については追って報道するつもりだ。

 しかし、容疑者は一方で、衆院議長公邸に「私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活および社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です」といった手紙を届け、「障害者なんていなくなればいい」と供述している。今回の犯行は、その弱者を社会から排除するという思想の延長線上に出てきたもので、"ヘイトクライム"的な側面があるのは明らかだろう。

 そして、これはネットで在日韓国人や弱者に対して、「死ね」「日本から出て行け」などと叫んで排除しようとしている、ネトウヨ的なメンタリティと決して無関係ではないはずだ。

 ネトウヨたちは、この凶悪事件に「在日の仕業」などと無根拠なデマを喚き立てる前に、自分たちの内部にひそむ排除思想のヤバさに気づくべきではないのか。
(編集部)