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自宅で硫酸銅の合成と銅アンモニアレーヨンの実験

銅アンモニアレーヨンの実験を自宅で出来ないかと思い、実践してみました。
入手が難しいのは硫酸銅と水酸化ナトリウム(NaOH)ですが
今回は硫酸銅だけ自作しました。NaOHはどこかで入手してください。
それ以外はアマゾンや楽天などで揃います。

ちなみに硫酸銅とNaOHは以下のサイトで購入可能です。
これらの試薬を購入する場合、「毒物及び劇物譲受書」という紙も1枚
一緒に送られてくるので、署名捺印して返信する必要があります。
http://www.comokin.co.jp/ (硫酸銅)
http://kankanhouse.jp/index.html (NaOH)

<><><><> 実験は工夫して安全に行いましょう <><><><>

硫酸銅の合成
希硫酸に銅を入れても溶けませんが、過酸化水素も加えると溶けます。
銅が溶けた溶液を加熱、濃縮して硫酸銅を析出させます。

過酸化水素により銅線表面の銅が酸化銅となり、酸化銅が硫酸と
反応するのだと思いますが、そう書いてある文献は知らないので
正解は分かりません。

Cu + H2O2 --> CuO + H2O
CuO + H2SO4 --> CuSO4 + H2O

用意したもの
・銅線
・バッテリー電解液(37%硫酸、比重(20℃)1.28)
・オキシドール(約3%過酸化水素水)
・燃料用アルコール(メタノール76.6%、エタノール21.4%、イソプロパノール0.3%)

・コーヒーフィルター(ろ紙の代わり)
・漏斗

・電子天秤や適当な容器、割り箸など(銅アンモニアレーヨンでも必要)。
・保護メガネや手袋など。

銅線はアンテナケーブルから取り出すこともできます。
使用したバッテリー電解液は販売元が株式会社GSユアサのECK-061
(ECK-0.61-N)ヤフーや楽天で数百円程。
液別バッテリーと呼ばれる商品にも同様のものが付属するようです。
バッテリー補充液はただの水なので間違わないように。
燃料用アルコールのかわりに無水エタノールでもいいと思いますが
こちらの方が安いです。

硫酸をこぼした場合などに備え、重曹の飽和水溶液をペットボトルに
作っておくことをお勧めします。
--------------------------------------------------
実験操作
(1)銅線1.00g(16mmol)にバッテリー電解液5mL(硫酸2.37g, 24mmol)
オキシドール50mLを加え、数時間放置して完全に溶かした。
cuso4 (1)

(2)沸騰石代わりに銅線0.34gを加え、ガスコンロでゆっくり加熱、水を蒸発させて濃縮。
液面に少量の析出が確認できたところで火を止めた(目分量で液の残りは十数mLほど)。
cuso4 (2)

(3)液が冷める過程で硫酸銅の沈殿が析出する。冷めると液はほとんど無くなり
ほぼ全体が固体となった。残った硫酸をアルコールと共にろ過して除き、ろ紙上で沈殿に
アルコールをかけて硫酸を洗い流した。乾燥して硫酸銅の完成。
cuso4 (3)
cuso4 (4)
cuso4 (5)

加熱時に加えた銅線は0.15gに減ったので、溶かした銅線は合計1.19g(19mmol)。
収量2.38g(硫酸銅五水和物として10mmol)、収率53%。
pH試験紙でpH4くらい(市販品と同じ)。市販品よりやや白っぽい理由は不明・・・。

メモ:
(2)加熱すると硫酸が跳ねるので注意。木や紙が黒く焦げます。
私は写真のように割り箸で隙間を作り、木の板を置きました。
間違っても突沸させないように。液は煮詰めてしまわないよう気をつけて。

(3)コーヒーフィルターは濃縮された硫酸で穴が開いてしまうので
冷ました後の固体(硫酸銅+硫酸)にアルコールを加えて薄め
フィルター上に取り出します。硫酸銅はメタノールに少量溶けてしまいます。
--------------------------------------------------

銅アンモニアレーヨンの実験

用意したもの
・硫酸銅(上で合成したもの)
・アンモニア水(約10%)
・NaOH
・クエン酸(硫酸でもOK)
・シリンジ(注射器のようなもの)

実験操作
硫酸銅0.5g(2mmol)にアンモニア水4mLを加えて溶かし
さらに2M NaOH 2mLを加えることでシュバイツァー試薬を調製した。
この溶液に脱脂綿0.1g(セルロースとして0.3mmol)を少しずつ加えて溶かした。
これをシリンジに取り、クエン酸水中に押し出して糸状の再生セルロースを得た。
cuso4 (6)

メモ:
アンモニア水の蒸気は目や鼻に刺激が強いので注意してください。
綿を溶かした液はドロドロしたものになります。シュバイツァー試薬が
適切に調製されていれば、綿を入れ数十秒もかき混ぜれば溶けてしまうはず。
溶けない場合はNaOHを1mL単位で追加してみてください。
シリンジから出した再生セルロースはそうめんみたいな感触でした。
塩基性の水中でも再生するそうです(飽和重曹水で確認)。

廃液はクエン酸や水酸化カルシウムでpHを調整して植物の肥料にしようと思います。

<><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>
何が起きてもこのブログを書いた人は一切責任を負わないので気を付けてね!!!
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No title

試薬が買えないのなら
微量の炭酸水素ナトリウムを溶かした水溶液を
陽極に銅を使用して電気分解して
水酸化銅(Ⅱ)と炭酸銅(Ⅱ)の混合物を作り、
それを水洗いした後にアンモニア水を過剰に加えて
シュワイツァー試薬を作るけどね。

自分の場合は塩化銅(Ⅱ)や硫酸銅(Ⅱ)に水酸化ナトリウム
を加えて水酸化銅(Ⅱ)を作り一端、水で洗った後に
濃アンモニア水を加えてやりましたね。


銅塩にアンモニウム塩を加えてもテトラアンミン銅(Ⅱ)イオンが
できるけど濃度が低いからレーヨンの合成できないな~

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