【コラム】中・日に見下される韓国、今こそ核武装を議論せよ

韓国も北朝鮮と同じく「核の決断」を

【コラム】中・日に見下される韓国、今こそ核武装を議論せよ

 韓国では、国防・安全保障に言及したら好戦主義者とされ、対話を強調したら平和主義者とされる。安全保障を語ったら強硬派になり、平和・対話に言及してこそ穏健派とされる。北朝鮮の局地的挑発に対する「相応の対応」を主張したら、すぐさま「戦争をしようというのか」という極端な論理が登場し、北朝鮮の挑発を取り上げたら「国民を恐怖に突き落とす選挙戦略」と反発される。韓国も核を持つべきではないかと主張したら、中国や米国を刺激するなと口をふさがれる。一言で言えば、北朝鮮への支援や対話、平和を語ってこそ知識人とされ、軍事バランスや核武装などを取り上げたら「けんかっ早いやつ」扱いされるという、そんな歳月を韓国人は過ごしてきた。これが、世界で最も危険な火薬庫を抱えている国、核兵器の直接的な脅威にさらされている国の、ゆがんだ現状だ。

 その間、北朝鮮は南側の「支援」を受け、南側の愚昧な平和論に助けられ、そして北朝鮮の独裁権力と会えないことに焦る韓国の一部指導層の「北朝鮮病」に乗じて核兵器を開発し、4回も核実験を行った。今では、それを運ぶ手段(ミサイル)まで有する核大国にのし上がった。しかも現在、北朝鮮の核兵器は、いつ、どこでボタンを押すか予想のできない血気ばかり盛んな若い独裁者の手に握られている。韓国は、いつ、どういうわけで核爆弾を落とされることになるのか全く予測のつかない、ぎりぎりの状態にある。

 北朝鮮だけが問題なのではない。韓国の大統領が世論を押し切って訪問し、力を込めたにもかかわらず、中国は北朝鮮による4回目の核実験の後も、韓国の足を引っ張っている。韓国の左派勢力とよく似た「対話と平和」を繰り返している。米国もリップサービスばかりだ。大統領が議会で行った新年の演説では、「北朝鮮の核」への言及すらなかった。米国の「核の傘」に触れる高官の発言の裏には、終末段階・高高度防衛ミサイル(THAAD)を韓国に輸出(?)しようとする商売のにおいすら漂う。チャンスを逃すまいと、日本は素早く動いている。これまでに核兵器のあらゆる要素(濃縮ウランから核実験のシミュレーション、運搬手段に至るまで)を手に入れ、今は分解しているものの、ひとたび有事となれば「結合」すればいいだけという段階にまで至っている日本は、隣の不運の陰でにたにたと笑っている。

金大中(キム・デジュン)顧問
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