NHK短歌 題「贈り物」 2015.12.22


「NHK短歌」司会の剣幸です。
今日も短歌をご一緒に楽しみましょう。
それでは今日のゲストご紹介致します。
弁護士で俳優の本村健太郎さんです。
よろしくお願い致します。
お願いします。
ようこそお越し下さいました。
本村さん多分学生時代は司法試験に向けてものすごくお勉強なさったと思いますが短歌はいかがでしょうか?短歌は高校の国語の授業でやりましたけれどもどっちかっていうと難しい堅苦しいイメージがあってちょっと苦手意識があるかなと思います。
食いつきが悪い感じ…でも大丈夫ですよね?記憶力集中力抜群でいらっしゃるので「百人一首」のかるた取りなんかとってもお上手でチャンピオンになりそうですね。
「百人一首」はね本当に好きなんですけど自分で作るっていうのはどうもね難しそうだなと。
「百人一首」から現代短歌はもうすぐです。
道のりは近いです。
頑張ります。
お願いします。
今日は楽しんで帰って頂きたいと思います。
よろしくお願い致します。
そういう本村さんにはこんな形で参加して頂きます。
えりちょす!はい。
アシスタントのえりちょすと申します。
よろしくお願いします。
では札を…。
今から栗木さんに選んで頂いた入選九首をご紹介します。
その中でこれが一番いいな一席だなと思うものを我々3人が予想します。
なのでいいなと思った時にはこれを挙げて下さい。
事前に見て頂けてますよね?はい。
それでは今週の入選歌のご紹介です。
栗木さんが選んだ入選歌はこちらです。
一首目です。
教え子の薫さんは多分ね「ありがとう」っていうのがてれくさくて「はいプレゼントだよ」って言ってお金を返したのかなと思うんですけどね。
先生と生徒の間でお金の貸し借りがあるというのはなかなかいい関係だなと思いますね。
いくらぐらいだったんだろうってちょっと気になりますよね。
本当にプレゼントだと思って期待したら借金の返済か〜ってちょっとがっかりしますね。
現実に引き戻される感じですか。
では次です。
多分ねこの祖父という方は太くて立派な眉毛の持ち主だったんだろうと思うんですけどね。
女性にとってはねちょっとありがたくない贈り物かもわからないですけどね。
「負の贈り物」っていうのが負の遺産じゃないですけど大げさに言ったところにユーモアがあってでも作者はまんざらでもないんじゃないかなという気もしますね。
隔世遺伝ってあるんでしょうね。
僕もおじいちゃんからすごい太い眉毛を受け継いだんですよ。
すごいんですよ。
テレビで初公開!本村さんの眉毛。
僕は男性だから太い眉毛でありがとうございますって感じ。
きれいな眉毛。
ありがとうございます。
見せて頂いて。
では次です。
はい!これですね僕ね。
何かほっこりしますよねすごくね。
おばあちゃんの人柄がよく表れてるなと思いますね。
お孫さんからもらったプレゼント本当は中見たいと思うんだけどまずは包装紙を丁寧に品良く開けていくっていうね。
僕も同じタイプで包装紙のセロテープをきちんとピーッてねきれいに剥がすタイプなんですよね。
包装紙の裏側に何か描いたりとか子供の頃はしましたよね。
カレンダーの裏なんかもね。
もったいない精神もあります。
この歌はね贈り物っていう言葉は直接には出てこないんですけどテーマとして歌った歌で本村さんおっしゃったようにおばあちゃんの上品なね礼儀正しい佇まいそれが目に浮かびますよね。
最後の「見てよおばあちゃん」この呼びかけもいいですよね。
では次です。
この歌はね「桟橋」とか「連絡船」という場の設定にドラマがあって作者はもらった贈り物を海の上で相手の顔が見えない所でそっと開くというねとてもそこに情感が漂うような気がしますね。
最近はね相手の目の前で開けちゃう事が多いじゃないですか。
こうやってあとで一人になった時に開けて相手の事を考えるってすごくいいですね。
すぐ反応してよっていうのが…。
今はそれやらないとね。
今はそうですけどね。
では次です。
もうね贈り物を想像するだけで君のえくぼが浮かんで一人でニヤニヤソワソワてれちゃってるんでしょうね。
初々しいなと思ってうらやましくなりました。
「プレゼント何にしようかな?喜ぶかな?」って考えてる時が一番ハッピーだと思いますね。
確かにそうですね。
えりちょすは?選ぶ時も楽しいんですけどアイドルをやっているのでもらう事の方が多くて…。
贈った事ない?あるんですけどもらう事の方が多いんで。
これからえりちょすにもいろんな事ありますよ。
はいでは次です。
はい!これはものとしてあるというよりは不特定多数どなたにでも差し上げられるものすごくすてきなプレゼントなんじゃないかなという気がしました。
私もこの歌を拝見して改めて献血っていうのはね誰かに自分の元気をねおすそ分けする事なんだっていう事に気付かせてもらいましたね。
「献血車から仰ぐ大空」っていうふうに最後に大きな情景を表した事でとても伸びやかさが出ましたね。
僕もね高校生の時に献血したんですよ。
学校に献血車が来てね。
やっぱり空が見えるんですね。
寝てやるからね。
僕は貧血になっちゃって倒れましたけど。
ちょっとひ弱だった。
なるほど。
でもすばらしい精神が…。
とても役に立ったなとは思いましたけどね。
では次です。
今回贈り物の喜びを歌った歌が多かったんですけど拒否された歌もまた当然あるべきだと思って印象に残った一首でした。
「手袋の季」というこの季節感がしみじみしますね。
あの時は寒かったなという思い出がね同じ季節になると思い出されるっていうね。
トラウマになってる!?悪い記憶かもしれないけどこの人はね。
では次です。
白寿っていうのは99歳ですよね。
ご高齢で元気な方にとってもしゃれた贈り物をした。
こういう新しい世界も知ってよというふうに贈ったというね。
両者の関係がほのぼのとしてますよね。
白寿おめでとうございます。
「マカロンってなぁに?」って言われて「フランスの最中みたいなもの」って説明が上手だなと思いますね。
うまい説明ですよね。
ぱっと浮かびますもんね。
では九首目です。
はい。
第四週目に放送されている「短歌de胸キュン」の番組のロケで以前フィリピンに行かせて頂いたんですけどその時にマニラのインターナショナルスクールに行かせて頂いてそこの学校の生徒さんの短歌というのを先ほどお聞きして今でもこうして短歌を作ってくれてる事に感動して選んでしまいました。
16歳の作者でこの歌もテーマとして贈り物を捉えた歌なんですけどね。
お父さんとスキンシップを図るだけじゃなくて手紙も渡してるっていうねそこの心の交流がいいですよね。
これどういう状況なのかな?週末だけお父さんが帰ってくるのかなとかいろんな事を考えましたけどね。
ありがとうございます。
以上入選九首でした。
それでは今週の特選歌です。
栗木さんまず三席お願い致します。
阿部功さんです。
いませんね?まだ出てない。
では二席お願い致します。
本智江さんです。
出ちゃいました。
では一席お願い致します。
丹下可琳さんの歌です。
えりちょす〜!えりちょす当たりましたね。
この歌本村さんおっしゃったように月曜日にいつも渡すというところでちょっと単身赴任なのかなとかね何かねそういうお父さんとの関係も想像できてねなかなか含みのある一首ですよね。
ありがとうございました。
栗木さん私今回も作ってまいりました。
恥ずかしながらです。
今日ってプレゼントデーって天からの贈り物だと思ってとてもすてきな一日を送らなきゃと思うんですけれども師走はそんな事をかまっちゃいられない。
いろんな事にせかされるという歌をちょっと詠んでみましたがいかがでしょうか?うまいですね。
本当に下手くそなんですけれど。
「今日という贈られし日」ね今日という日をありがたいなという気持ちになりました僕も。
季節感も如実に出ている歌で剣さんいつもお上手なんですけどあえて1か所ちょっと直させてもらうと「贈られし日は」「師走の風は」って助詞の「は」が重複してますよね。
「が」とか「は」というのは強く響いてしまうのでなるべく重複させない方がいいんですよね。
ですから最初の「は」は「の」にしたらどうでしょう?なるほど〜。
キュッと締まった感じがありますね。
流れが出ましたよね。
いつもありがとうございます。
懲りずにまた来月も作ってきますので。
楽しみにしています。
お願い致します。
続いては「入選への道」。
投稿作品にこうすれば入選に近づくというポイントを伺います。
今日の歌は?正義感ね弁護士も正義の味方ですからね。
時に正義感って人にかえって恨まれたりとかトラブルになったりする事もありますけど本当は大事なものですからねいい贈り物だと思いますよ。
お父さん譲りの正義感を誇らしく思うっていうねそういう気持ちの伝わるいい歌なんですがちょっと気になったところがあるので直してみました。
真ん中のね「捨てきれぬ」がここで切れるのかあるいは「捨てきれぬ…わが正義感」というふうに後ろの方に係るのかというのがちょっとあいまいなんですよね。
ここで切れるのだという事をはっきり表すために「捨てきれず」というふうにしました。
そうするとね二句目の切れはない方がいいので「厄介な贈り物だが捨てきれず」というふうに二句から三句はつなげる形にしました。
ほんのひと言一字やると流れが全然よくなりますね。
どこで切ってどこでつなげるかで随分歌の印象が変わりますよね。
ありがとうございました。
皆さんも短歌作りの参考になさって下さい。
ではここで投稿のご案内です。
続いては選者のお話。
贈り物を選んだり受け取ったりする時に相手と自分との間に温かい心の交流が生まれますよね。
そういう目に見えないやり取りっていうのは具体的な品物よりもむしろ掛けがえのないもののような気がするんですよね。
この大西さんの歌も薬指のサイズを教えてって言われてそれから実際にその指輪の届くまでの時間時間って目に見えないものですけれどもその幸福感というのがねこの歌によく表れていて自分は日々家事で忙しくて手が荒れちゃうんだけれども節くれ立っちゃうんだけれどもそれでも待ってますよというそのときめきが伝わってきますよね。
僕も分かりますよこの歌。
「草抜きて日々に荒れゆくわが手」って僕の母親も田舎が佐賀県なんですけど実家が農家なんですね。
母親が72歳なんですけどまだ農作業やってるんですよ。
農作業やって手は荒れるし炎天下の作業でね日焼けするしそういう母にもちょっとおしゃれしてもらいたいなと思って母の日に着る物とかをちょっと送ったりしてるんです。
いい息子さん。
じゃあ今度指輪を。
指輪か〜!指輪はあげた事ないからな。
お母さん「サイズは10です」とか言ってるんじゃないですか?サイズね聞いとかなきゃ。
お電話かかってきますよ。
でもありますね贈り物しようと思ってうちも母に洋服をこのサイズって思ったら思いのほか痩せてたりしてうわ〜っ!サイズが変わってきたりとかね。
ちょっと切ない思いしたりいろんな事ありますね。
ありがとうございました。
それでは次のコーナーにまいりましょう。
栗木さん今回は?前回はねオノマトペの中の擬音語というのを勉強しましたが今回はねもう一つ擬態語というものについて一緒に考えてみたいと思います。
えりちょす擬態語って知ってます?つるつるとかぬるぬるとか音以外の言葉ですかね。
実際に音は出ないんだけれどもいかにもこんな音を出しそうだというような言い方で物事の状態とか様子を表す。
そういう修辞法の事なんですよね。
日本語には擬態語がねすごく豊富にあるって言いますよね。
外国の人からするとねびっくりされますよね。
短歌の中にもわりと積極的に使った方がいいんですか?短歌にもよく使われるんですがどうしてもね当たり前の擬態語になってしまうとかえってマイナスになるのでねいかに新鮮な擬態語を使うかというところがポイントになるんですけどね。
ありきたりじゃ駄目なんだな。
ありきたりじゃないと作らないといけなくなっちゃいますね。
自分で作っていいんですか?いいですいいです。
辞書にはないような言葉でも。
ですから今回もねまた練習問題穴埋め問題を解きながら一緒に考えてみましょう。
まず一首目です。
「花もてる」花が咲いている夏の木があってその上空を時間が過ぎていくっていう歌なんですけどね。
僕完全に今勘違いしてました。
夏樹って女性の名前かと思って。
夏樹ちゃんが花を持ってると思って…違うんだ。
そうも読めますけどこの場合は「もてる」っていうのは花が咲いているっていう意味。
では書いてみて下さい。
難しいなこれ。
もう思いつきで大丈夫です。
こんな感じで…字数があれだな…じゃあこれを繰り返してこうしちゃおうかな。
このくらい入るだろう。
じゃあこれでお願いします。
うわいっぱい。
勢いありますね。
じゃあ剣はこれです。
これも夏っぽい感じですね。
夏がキーンって時が言ってるような気がします。
えりちょす。
ちょっと字汚いんですけど…はい。
それぞれユニークですね。
どうでしょうかね?まあ本村さんが割合近いのかな?う〜んまあ微妙。
作者の表現は…。
わりと染みこむような…。
日ざしが強いし上空なのであんまり気持ちよく過ぎていくよりはちょっとセミの音が響くようなそんな感じもあるんでしょうかね。
夏のグワ〜ッと来る感じというかね。
めまいのするような炎天下っていう感じですかね。
キーンキーンも近いですね。
そういうイメージではあったんですけれども。
擬態語がある事で歌が…。
身近になりますよね。
深まるしその時の感覚って何か伝わってきますよね。
ではねもう一首二首目いってみましょうか。
いきなり擬態語がきちゃいます。
秋の雲が浮いているのどかな日に子供たちはそれぞれどこかへ行っちゃったみたいだなという歌ですよね。
こんな感じかな?これでお願いします。
秋らしいねゆったりした…。
剣はこれです。
先月だだだだだっていうのありましたよね。
階段下りる。
それにちょっと…。
タターッて去って行ったという。
軽やかで。
えりちょすは?3人共ね秋の感じ出てるんですけど剣さんの感じが一番近いかな。
作者の表現は「ぽぽぽぽと」。
(一同)え〜っ!?とっても斬新ですよね。
いろんな使い方自由に使って…。
雲がポツンポツンとぽわぽわと浮いてたって事なんでしょうかね。
それをぽわぽわと言っちゃうと当たり前になるのでちょっとタンポポの花が咲いてるのまあ季節が違いますけどね。
そんなイメージもあったのかなと思います。
斬新ですね。
短歌でいきなり「ぽぽぽぽ」。
オリジナリティーで勝負。
言ってみればやりたい放題っていう感じでではもう一首いきませんか?三首目。
今度は一番最後の結句になります。
「ヘビを見ぬ」っていうのは見たって事ですね。
こんなのでいってみようかな?はいお願いします。
あ〜かわいいかわいい!じゃあすいません私は…。
泳ぐ感じでいっちゃった。
お二人共ね怖さがなくていいですよね。
本村さん近いかな?似てますよね。
お〜すごい!ちゅるっとしゅるんと。
かわいいヘビだったんでしょうね。
面白いですね。
やっぱりその情景感性その人がそれに対してどう思ってるかっていうのがすごく出ますね。
直接的に伝わってきてね正解はないんですけどあっこの人と似てるわとかいろんな楽しみ方ができますよね。
どうですか?短歌。
難しいっていうイメージがあったんですけど素直に自分の感覚でやっていいんだなっていうのがよく分かりました。
だからすごく身近に感じられましたね今日は。
またいらして下さい。
ありがとうございます。
ではまた来月お目にかかります。
2015/12/22(火) 15:00〜15:25
NHKEテレ1大阪
NHK短歌 題「贈り物」[字]

選者は栗木京子さん。ゲストは弁護士の本村健太郎さん。短歌は初心者という本村さん。今回は擬態語の使い方について学ぶ。出演 えりちょす 司会 剣幸 題「贈り物」

詳細情報
番組内容
選者は栗木京子さん。ゲストは弁護士の本村健太郎さん。短歌は初心者という本村さん。今回は擬態語の使い方について学ぶ。題「贈り物」。【出演】えりちょす 【司会】剣幸
出演者
【ゲスト】弁護士…本村健太郎,【出演】えりちょす,栗木京子,【司会】剣幸

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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