【萬物相】便所挑発に人糞報復、日本メディアの報道姿勢は行き過ぎだ

 どの国にもおかしな人はいる。神社本殿でもない、トイレの天井にお粗末な爆発物を設置して帰国したものの、自ら現場に再び行こうとした容疑者の男を「一般的な韓国人」だと言えるだろうか。外交公館に人糞(じんぷん)を投げた人物を「一般的な日本人」だと考えられないのと同じことだ。いくら軍国主義を賛美する施設だとしても、テロを容認することはできない。犯罪の軽重に基づき、日本の司法当局が厳しく捜査・処罰すれば済むことだ。

 問題は、両国の対処法だ。韓国人容疑者の顔や氏名の公開をめぐる政府間攻防、おかしな人物の逸脱行為を過激派組織「イスラム国」(IS)のテロになぞらえる日本のメディアの報道姿勢は行き過ぎだ。今の韓日関係の確執は、歴史認識問題をめぐる両国指導者間の神経戦に端を発する。そうように大きな問題から始まった確執が「便所挑発に人糞報復」という吐き気のするような状況に至ってしまった。この低レベルな対決すら国同士の泥沼の確執につながるのではないかと心配になる。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
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