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<シリア大統領>「政権支配地域が縮小」国家分断加速も

毎日新聞 7月27日(月)0時38分配信

 【カイロ秋山信一】シリアのアサド大統領は26日、国営テレビで演説し、政府軍の兵力が不足し、政権側支配地域が縮小していることを自ら認めた。独裁を敷くアサド氏が不利な情報を国民に伝えるのは異例だ。アサド氏は「重要な地域を優先する」と述べ、都市が集中する国土西側の防衛に注力する方針を示唆した。

 シリアでは今春以降、反体制派や過激派組織「イスラム国」(IS)、少数民族クルド人が勢力を拡大。アサド氏が国土の一部を事実上放棄する姿勢を示したことで、国家分断が加速する可能性が出てきた。

 アサド氏は、5年目に入った内戦について「戦線は分散しており、全てで勝利するのは不可能だ。兵力の消耗を防ぎ、経済・軍事的に重要な地域を守ることを優先する」と説明した。また「勝利を達成するには軍事力を増強する必要がある」と訴え、軍に参加するよう国民に呼びかけた。

最終更新:7月27日(月)0時38分

毎日新聞