計測機器メーカー、堀場製作所(京都市)の創業者で、最高顧問の堀場雅夫(ほりば・まさお)さんが14日午後6時54分、肝細胞がんのため京都市内の病院で死去した。90歳だった。葬儀は近親者で行った。後日、社葬を開く予定。喪主は長男の同社会長兼社長、厚さん。連絡先は同社総務部(075・316・9048)。

 京都帝国大在学中の1945年に創業。国内の学生起業家の草分け的存在で、肥料をつくるときの品質管理などに使われるpH(水素イオン濃度指数)メーターを開発した。

 公害問題の広がりなどを受けて気体の分析装置の開発も進め、特に自動車の排ガス測定装置で世界で知られるメーカーに育てた。

 78年に53歳で会長になった後は、地元・京都のものづくり支援や、ベンチャー企業の育成に力を注いだ。ベストセラーとなった「仕事ができる人 できない人」や「ベンチャー魂」「イヤならやめろ!」などの著書では、日本的な「会社人間」からの脱皮を勧め、日本企業の変革を訴えた。

 2005年に最高顧問に就任。今春に体調を崩し、療養を続けていた。