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【関西の議論】ミナミの「超一等地」で地上げ バブル以来〝最大〟の取引にトラブル勃発 橋下市長もクギ刺す

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【関西の議論】
ミナミの「超一等地」で地上げ バブル以来〝最大〟の取引にトラブル勃発 橋下市長もクギ刺す

更地になったまま再開発計画が止まっている旧大阪市立精華小学校跡地。隣接地で地上げが繰り広げられた=大阪市中央区(本社ヘリから)

 ただ、K社は隣接地2物件の各所有者と売買契約を結んだだけで、実際には2物件を所有していない。関係者によると、K社と各所有者が結んだ売買契約は、1物件は白紙になったが、もう1物件は今月中旬に決済し、K社が所有権を得る契約内容だという。

 J社は「K社が履行不能な契約に基づいて手付金をだまし取り、返金に応じない」として、大阪府警に被害を相談している。一方、K社の実質経営者は産経新聞の取材に「訴訟に移行したので、コメントは差し控えたい」と話した。

迫る「買い戻し期限」

 一方、S社には再開発を急がなければならない事情がある。大阪市による跡地の買い戻しだ。

 S社と市が25年2月に交わした土地売買契約では、契約から5年以内に建設工事に着手し、8年以内に全工事を完了させる▽事業承継(S社が他社に買収される場合など)を除き、契約から8年間は土地を転売してはならない-などと規定。市は契約違反があった場合、約25億円で土地を買い戻すとしている。

 S社の当初の提案では、27年3月にビルの建設に着手し、28年度中に完成する予定だった。しかし、校舎の解体は当初の予定通り昨年5月ごろまでに終わったものの、その後の進展は見られない。

 複数の不動産業界関係者は「あれだけ商店街に囲まれた用地で複合ビルを建てるとなれば、地元などとの事前協議や行政手続きに要する時間を考えると、遅くとも27年度中に市から事業計画の承認を得る必要があるのでは」と指摘する。

 S社は7月1日、市に新たな計画書を提出した。ただ、市がこれを正式な「事業計画」とみなすか否かは不透明だ。買い戻し期限のタイムリミットは刻一刻と迫っている。

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