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【関西の議論】ミナミの「超一等地」で地上げ バブル以来〝最大〟の取引にトラブル勃発 橋下市長もクギ刺す

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【関西の議論】
ミナミの「超一等地」で地上げ バブル以来〝最大〟の取引にトラブル勃発 橋下市長もクギ刺す

更地になったまま再開発計画が止まっている旧大阪市立精華小学校跡地。隣接地で地上げが繰り広げられた=大阪市中央区(本社ヘリから)

 大阪・難波のど真ん中で「地上げ」が繰り広げられた。ここ数年の「アベノミクス」効果によって、関西でも投資先を求める余ったカネが土地買収に投じられ、バブル経済以来の〝活気〟の兆しも見えてきたのか。かつては闇社会の介入による強引な立ち退き強要などのイメージもあり、社会問題になった地上げ。今回の地上げは、広大な旧大阪市立精華小学校跡地(中央区)の再開発計画に伴う隣接地が対象で、〝史上最大〟といえる規模だ。だが今、深刻な資金トラブルも引き起こしているという。ミナミの「超一等地」をめぐる混乱は収まりそうにない。

かつては暴力団介入トラブルも

 地上げとは、建物の用地を確保するため、地主や借地人と買い取り額や立ち退きを交渉して土地を買収する行為のこと。街区中に〝虫食い〟状態で点在する土地を買収して大きな土地に変えるのが代表例だ。

 バブル経済の時代には、まとまった土地が高く売れたため、強引な手法による交渉や立ち退きの強要が社会問題となり、負のイメージが定着した。

 関西で最大の地上げといえば、消費者金融大手、旧武富士(経営破綻、現TFK)の京都市内の物件だろう。

 武富士が京都で地上げに乗り出したのは昭和60(1985)年ごろ。最終的にJR京都駅前の計約1万平方メートル▽高島屋京都店の南隣の土地約6700平方メートル(いずれも京都市下京区)▽同市左京区の山林約2万平方メートル-などを取得した。

 うち京都駅前の土地は、駅の北東数百メートルという抜群の立地ながら、時間貸し駐車場として塩漬けにされている。背景には、地上げの失敗と死者も出した抗争という暗い過去がある。

(次ページ)バブル期150億円超「暴力都市」に…今回の大阪も複数の金主が…

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