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【中高生のための国民の憲法講座第94講】現実離れの議論生む9条の制約 奥村文男先生

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【中高生のための国民の憲法講座第94講】
現実離れの議論生む9条の制約 奥村文男先生

 ◆抜本改正の必要性

 本当に切れ目のない安保法制を整備するには、9条の抜本的改正を行い、軍の保持を明記することが必要です。現9条の上に築かれる法制度は砂上の楼閣の恐れがあります。69年前に制定された憲法の下では、自衛隊の存在は全く規定されておらず、これでは公共財としての自衛隊を十分に活用することに限界があることはこれまで指摘した通りです。

 そこで最後に自民党の「憲法改正草案」(平成24年)と産経新聞の「国民の憲法」要綱(25年)における9条改正案の骨子を述べ、本講を終えたいと思います。自民党草案では、9条1項として、現9条1項とほぼ同様の規定を採用しています。2項として、「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」と規定し、自衛のための武力行使を認めています。

 9条の2の1項として、「国防軍」の保持を明記し、3項でその役割に国際協調活動や治安維持等を追加しています。9条の3として、領土等の保全等を規定しています。

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