田原総一朗の政財界「ここだけの話」

安保関連法案は「第3次アーミテージ・ナイレポート」の要望通り?(5/6ページ目)

  • 2015.06.11
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集団的自衛権の行使容認は米国側の要請と考えられる

「武力行使の新3要件」は次の通りだ。


武力行使の新3要件

○我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
○これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
○必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

 私は、安倍晋三首相や中谷元・防衛相の国会答弁を聞いても、なぜ集団的自衛権の行使をいま認める必要があるのかわからなかったが、その理由が米国からの要請に応えるためだったということならそれなりに理解できる。つまり、集団的自衛権の行使容認は、日本側の発想でなく、米国が日本に要請したものだったと考えられるからだ。

 さらにレポートは、国連平和維持活動(PKO)についても、「さらなる参加のため、日本は自国PKO要員が、文民の他、他国のPKO要員、さらに要すれば部隊を防護することができるよう、法的権限の範囲を拡大すべきである」と指摘する。

 これは今審議されている「国連平和維持活動(PKO)協力法改正案」につながる指摘と受け止めることができるだろう。

 私は「第3次アーミテージ・ナイレポート」を読んで、安保関連法案の主要な項目がレポートで指摘された内容であることを知り、改めて驚いた。

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