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サイバー犯罪温床「中華プロキシ」一掃へ 当局本腰も課題多く…

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サイバー犯罪温床「中華プロキシ」一掃へ 当局本腰も課題多く…

サーバー悪用容疑の一斉捜索で台東区の関係先を捜索し、大量のパソコンを押収しトラックに積む捜査員=19日午後、東京都台東区(宮崎裕士撮影)

 プロキシサーバーを発信元とする犯罪は多岐にわたる。ネットバンキングの不正送金事件、クレジットカードの情報流出事件、政府機関や日本企業へのサイバー攻撃…。

 捜査関係者は「中華プロキシは海外からのサイバー犯罪の最重要インフラの一つだ」と強調する。

■国境がハードル

 サイバー犯罪は容易に国境を越えるが、捜査は法の縛りで、なかなか国境を越えることができない。

 今年上半期の被害額が18億円超に上ったネットバンキングの不正送金事件では、不正送金先に使われた口座の7割が中国人名義。6月に警視庁が摘発した不正送金事件では、送金先の通帳が中国から送られてきたことが判明したため中国当局に照会したが、いまだに回答はない。中国人の関与が強く疑われても、摘発へのハードルは高かった。

 こうした状況下で警察当局が注目してきたのが中華プロキシだった。捜査関係者は「海外の犯罪者を直接摘発するのは難しいが、日本にある出先をたたくことで、実質的に締め出す効果は見込める」と解説する。

 警察当局は、事件の発信元として特定するたびに、中華プロキシ運営会社を家宅捜索。だが履歴が保存されていることはほとんどなく、捜査はそこで途絶えることが大半だった。今年2月には国内最大規模の業者を摘発したが、「思ったほどサイバー犯罪が減らなかった」(警視庁幹部)。

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