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【中高生のための国民の憲法講座】第87講 百地章先生 憲法に国の教育権明記を

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【中高生のための国民の憲法講座】
第87講 百地章先生 憲法に国の教育権明記を

教育権について考えてみましょう

 高校の公民科の一部教科書から、「従軍慰安婦」「強制連行」の言葉が削除されることになりました。昨年8月、朝日新聞が慰安婦を強制連行したとする吉田清治証言を取り消したことが理由の一つです。

教科書検定は合憲

 教科書には内容の正確性や公平性が特に求められますから、この訂正申請が文部科学省によって認められたのは当然です。

 今回は教科書会社からの申請によるものですが、教科書検定をめぐっては、平成5年の第1次家永訴訟最高裁判決において、その合憲性が認められています。

 それによれば、児童、生徒には十分な批判能力がなく、学校や教師を選択する余地も少ないこと、教育の機会均等を図る必要があることから、教育内容が正確かつ中立・公正で全国的に一定の水準を維持する必要があります。

 そこでこの要請に応えるため行われるのが教科書検定ですが、発行の禁止が目的ではなく一般図書としての発行は可能なことから、憲法21条2項にいう検閲には当たりません。

 昭和40年から30年間以上に及んだ家永教科書訴訟(第1~第3次)においてもう一つ争われたのが、教育権の所在でした。

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