NHK:籾井会長、専務理事2人に辞任迫る

毎日新聞 2015年04月15日 07時00分

NHKの籾井勝人会長=須藤唯哉撮影
NHKの籾井勝人会長=須藤唯哉撮影

 ◇経営委員会が会長提示の役員人事案に同意

 NHK経営委員会は14日、籾井勝人(もみい・かつと)会長が提示した25日付役員人事案に同意した。任期満了の4人のうち3人が交代するが、新任理事には「クローズアップ現代」のやらせ疑惑で監督責任を問われかねない幹部も含まれている。また昨年に続き、籾井会長が任期途中の2人の専務理事に辞任を迫っていたことがわかった。

 10人いる理事のうち新任は、今井純経営企画局特別主幹、坂本忠宣大阪放送局長、安斎尚志制作局長の3人。森永公紀理事は再任され、福井敬理事が専務理事に昇格する。任期は2年。退任は石田研一専務理事、木田幸紀理事、下川雅也理事の3人。

 坂本氏は、大阪放送局の記者が取材した「クローズアップ現代」のやらせ疑惑が調査中で、森永氏も報道担当理事としてこの問題にかかわってきた。この2人の新任・再任に同意した経営委員会の浜田健一郎委員長(ANA総合研究所会長)は委員会後、「調査中で結論が出ていない事案なので、会長の提案を了解した」と述べた。

 辞任を迫られたのは塚田祐之、吉国浩二の両専務理事。関係者によると今月9日、籾井会長から後進に道を譲るよう促されたという。2人は昨年4月にも、再任からわずか2カ月後に籾井会長から辞任を迫られ、拒否した。放送法では「理事に適しない非行」がなければ罷免できない。2人は今回も辞任を拒否した。【望月麻紀、須藤唯哉】

最新写真特集