終幕!トワイライト劇場は、やはり凄かった

豪華寝台列車の旅が、25年の歴史に終止符

25年間、北の大地を目指して走り続けたトワイライトエクスプレス

3月12日夜に大阪駅、札幌駅を出発した「トワイライトエキスプレス」の最終便は13日午前10時に札幌駅、午後1時前に大阪駅に到着した。多くの鉄道ファンを魅了した豪華寝台列車は、運行を終了した。

トワイライトエキスプレスのスイートルームでの旅は、まさに夢の世界。2014年12月19日、札幌発大阪行きの旅の模様をルポでお届けし、読者の皆さんと一緒に、トワイライトの思い出を噛みしめたい。

目を見張る美しさ

奇跡的に、札幌発大阪行きのスイートルームのチケットが取れた。

2014年12月19日13時50分、札幌駅4番ホームに、DD51形ディーゼル機関車に牽引されたトワイライトエクスプレスが入線した。すでにホームには多くの乗客がカメラを手に待っている。

A寝台につく洗面セット(撮影:米屋こうじ)

2号車の車内に足を踏み入れると、その美しさに目を見張る。落ち着きある壁、絨毯の敷かれた床。塗装が剥がれたところなどまったくない。

JRによれば、車内の清掃には劣化を招く洗剤を極力避け、普通の電車の5倍近い数の清掃クロスを使っているという。

皮脂汚れがたまりやすい水回りには特に経験と技術が活かされ、日常清掃をやりやすくするための特別なメンテナンスも行っている。おかげで、JRが言うような車体の老朽化など、乗客が目にする場所では微塵も感じられない。だが、実際には製造から約40年を経た老兵だ。

「トワイライトエクスプレスをご利用いただきまして、ありがとうございます。北海道の自然、青函トンネル、日本海の雄大なパノラマを鑑賞しながら、旅をお楽しみください」──。普通の列車とはひと味違う車内放送とともに、14時05分、札幌駅を発車した。

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テロと戦争

徹底的な敗戦から70年。これまで日本は幸いにも戦争をせずに来た。だが、今や隣国との緊張関係に加え、テロの脅威が日本人の安全を揺るがす。テロと戦争の境目があいまいになる世界で、気がつけばその日本も当事者になっていた。今、そこにある危機を真剣に考える。

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