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【中高生のための国民の憲法講座】第86講 「夫婦別姓」認めなければ違憲? 別姓制にはさまざまな問題

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【中高生のための国民の憲法講座】
第86講 「夫婦別姓」認めなければ違憲? 別姓制にはさまざまな問題

「夫婦別姓」の問題点について考えてみましょう

 法務省の法制審議会は「選択的夫婦別姓制」を提言していますが、これも夫婦同姓制が憲法違反だからというものではなく、あくまで一つの考え方です。

 それゆえ、従来の判例や通説に従えば、最高裁が「夫婦別姓を認めないのは憲法違反」とまでいうことは考えにくいと思います。とすれば、最高裁はこの問題について初判断を示すつもりではないでしょうか。

 ◆夫婦別姓制の問題点

 夫と妻に同等の権利を与えた現在の夫婦同姓制は、一方で「個人の尊厳」や「両性の平等」を尊重しつつ、他方で「家族を保護」しようとした憲法の精神にふさわしいものだと思います。

 というのは、当然のこととして明文化されませんでしたが、マッカーサー草案には「家庭は人類社会の基礎」とありましたし、新憲法下でも善き意味の家族制度は否定されないというのが、憲法制定当時の政府見解だったからです。

 また、政策的にも夫婦別姓制にはさまざまな問題があります。この制度の最大の問題点は、家族よりも個人を優先する結果、「家族の絆」と一体感を破壊し、家族を崩壊させかねないことにあります。なぜなら、夫婦別姓制は必ず親子別姓をもたらすからです。

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