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【中高生のための国民の憲法講座】
第85講 国歌斉唱をめぐる最高裁判決 百地章先生
しかし、仮に不満や不快感を覚えたとしても、思想、良心の自由の侵害とは別ですから、判決がわざわざこのような言及をしたことには違和感を覚えます。
また、24年判決は、「戒告処分」以上に重い「減給処分」や「停職処分」を行うためには慎重な考慮が必要であるといいますが、違法行為を繰り返す教員に対して甘すぎないでしょうか。民間や私立学校では考えられないからです。
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【プロフィル】百地章
ももち・あきら 京都大学大学院法学研究科修士課程修了。愛媛大学教授を経て現在、日本大学法学部教授。国士舘大学大学院客員教授。専門は憲法学。法学博士。比較憲法学会理事長。産経新聞「国民の憲法」起草委員。著書に『憲法の常識 常識の憲法』『憲法と日本の再生』『外国人の参政権問題Q&A』など。68歳。