14歳の少年がイスラム国から逃れるため自爆テロを志願。脱走の経緯とは
先日、イラク当局によって14歳のシリア人の少年が拘束された。彼は逮捕された時、全身に爆弾を巻き付けていた。
少年の名前はウセッド・バーホ君。彼はNew York Times紙に、脱走の経緯を語った。
銃を持っている限り射殺される
ウセッド君が加わったのは、自らイスラム国と名乗るグループ。メンバーらは彼に、シーア派は異端者であり、我々は彼らを殺さなければならない、という考えを植え付けた。
そしてウセッド君は「チャイルド・ソルジャー」として配属される。しかしその後、彼は自らの決断を後悔する。
やがてメンバーは彼に、自ら進んで銃を手にして戦うか、それとも自爆テロを実行するかを求めてきた。ウセッド君は逃げる最善の機会が、自爆テロの方にあると考えた。
彼はNew York Timesの中で、その理由を次のように語った。
「私は自爆テロをするために自ら手を挙げた。もし私が戦闘員で、イラクの保安部隊に降伏したとしても、恐らく彼らは私が銃を持っている限り、殺すでしょう」
自ら爆弾を装着したベストを見せる
ウセッド君はセーフハウスから別の場所へと移される。そして爆弾を装着したベストを与えられ、ターゲットを教えられる。それは首都バグダッドに隣接するバヤーという街にある、シーア派のモスクだった。
夕暮れになるとウセッド君は、モスクのゲートへと歩き始めた。そして門をくぐると保安警官に、自分のジャケットを開いて、次にように言った。
「私は自爆テロのベストを着ている。しかし、それを自分の手で爆発させたくはない」
その後、彼は殺されることなく、イラク当局によって拘束された。
過去6カ月間で1878人が処刑
逃げ延びることができたウセッド君は、まだ運が良かった方なのかもしれない。
実はシリアにおける人権状況を把握している団体が、最近イスラム国によって処刑された人数を報告している。
それによれば彼らは、過去6カ月の間、シリアだけで1878人を処刑したという。そのうち1175人が女性や子供も含む一般市民、583人が反対勢力の兵士とされている。
実は拘束された後、ウセッド君の身体から、爆弾が付いたベストを外す場面が映像として残っている。以下がその動画になる。
- 出典元:Syrian teenager Usaid Barho reveals how he escaped from Isis using a suicide vest - The Independent(12/28)
- 出典元:A Boy in ISIS. A Suicide Vest. A Hope to Live. - The New York Times(12/26)