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がん転移抑える機能発見=脂肪細胞形成の遺伝子―名古屋市立大

時事通信 2月12日(木)4時21分配信

 がん細胞の転移を抑える遺伝子の機能を新たに発見したと、名古屋市立大大学院の今川正良教授らの研究グループが12日、米科学誌プロスワンに発表した。がん治療の重要な課題とされる転移の仕組み解明や、新たな治療薬の開発につながる可能性がある。
 研究グループは、脂肪細胞や肺を作る遺伝子で、細胞の移動などにも関わる「fad104」に注目。がん細胞は転移する際、血管などを通じて体内を移動するが、がん細胞にfad104の働きを弱める処理をした場合、血管内に入り込みやすくなることが分かった。
 一方、fad104の働きを強めたがん細胞をマウスの尾の静脈に注射したところ、手を加えないがん細胞を注射したマウスに比べ、肺への転移が少なくなった。 
 今川教授は「(fad104は)転移に関わるとして研究されてきた遺伝子とは全く異なる。これまでと違った観点から治療薬ができると期待している」と話した。

最終更新:2月12日(木)12時29分

時事通信

 

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