有村治子議員講演要旨


   平成21年5月31日
総会記念講演
幡ヶ谷区民会館



  私は「いのちの重み・家族の絆・国家の尊厳」をモットーに、政治に関わってきた。
  国政の決断で迷いのある時など、一人で靖国神社にお詣りして、英霊にお尋ねする。国難の時に生命を捧げられた英霊が、「最後に守るべき価値観とは何か」をお教え下さるのだと思う。

 日本では古来から、「数え年」「お宮に灯(ヒ=霊)が灯る(→ヒト)」という言葉を使い、生命を目に見えない時から尊重してきた世界でも稀な、素晴しい国である。
  私に二人目がようやく四年目に授かって、悪阻がひどい私を見て、娘が「お母さんがこんなに辛いのをこらえてお腹の赤ちゃんを大切に育てている事を、生まれてくる子に知らせたい。」と言ってくれた。

 自分のよく行く美容院の茶髪のヤンキーの美容師さんが、「僕の誕生日には、『僕を生んでくれてありがとう』と、母にプレゼントするのです。」と言っていた。
  私達がこうして生きて集えるのも、それぞれのご先祖たちが、どんな苦難のときにも、戦塵の中でも、子供を守ろうとがんばってきて下さったからだ。そのお陰で今の私達が存在している。これは、奇跡だ。直系のご先祖の一人でも欠けていたら、私達の命はなかった。この大切な命を次につなげていかなくてはと思う。

 「歴史から学べ」とよく言われるが、英雄を追う歴史だけでなく、自らの生存と国の生存が危うい時に、先人たちがどんなに智恵や勇気をもって生命を受け継いできて下さったか、明治維新から、明治、大正、昭和の歴史を皆で謙虚に向き合い、学び取りたいと思う。

 「皆がお腹に赤ちゃんのいる妊婦さんを大切にする社会にしたい」と思い、関西地方で使われていたマタニティーマークを国政に取り上げた。全国共通の図柄にし、東京都下を始め、全国のJR・私鉄・地下鉄・バスを含め16社が、自らの費用で、それも生まれた赤ちゃんがなめて遊んでも身体に悪くない日本製のマークを作り、妊婦さんに無料で駅で分けて下さっている。どうぞ、感謝の言葉を彼らにかけて欲しい。

 「権威ある国」と言うのは、『感謝に満ちた国』であると思う。

 皆が起きる前から新聞を配達してくれる人、ゴミを集めてくれる人、トイレの掃除をしてくれる人など、殊に自らの命を顧みず国民のため働いてくださる自衛官・警察官・消防官を尊重する国にしたい。
  いつから日本は、「子供ができた・できない、作った・作らない、堕す・堕さない」などの言葉を使う国になってしまったのか。その頃から、子が親を殺し、親が子を殺す世相になってしまったのではないか。
  これからは、『神様から、仏様から、天から、ご先祖から、子供が授かった』という言葉を使いたい。
  今日本では年間100万人の子供が生まれている。それに対し、中絶は報告されているだけで、25万人いる。この事を政府は一切言及していないのが、とても悔しい。

 ぜひ、生命の重みをしっかり受け止める国にしていきたい。
 



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