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過払い金返還請求
利息制限法の上限(年利15~20%)を上回る利息で借金をした人が、払いすぎた利息(過払い金)を貸金業者に返還させること。貸金業者は従来、同法の上限を超える「グレーゾーン金利」で融資するケースが多かったが、最高裁が2006年、グレーゾーンを無効と判断したため返還請求が急増。日本貸金業協会によると、全国の業者が返還した過払い金は毎年数千億円で、ピーク時の08年度には約1兆円に上った。
(2014年8月19日掲載)
借り手が貸金業者から利息制限法が定める金利の上限(最高で20%)を超える利息で借金し、返済している場合、本来支払う義務のない利息分を返還させること。これまで貸金業者は、同法の金利上限と、出資法の上限(29・2%)の間の「グレーゾーン金利」で融資しているケースが多かった。最高裁が2006年、グレーゾーン金利を認めない判断をしたため、返還請求が急増している。
(2009年10月19日掲載)
返還過払い金 着服横行? 弁護士、司法書士 45件判明 消費者金融・抽出調査
(2014年8月19日掲載)
借金をした人が貸金業者に払いすぎた利息を取り戻す「過払い金返還請求」をめぐり、過払い金が返還されたにもかかわらず、弁護士や司法書士が依頼者に渡しておらず、着服が疑われるケースが2012年以降、九州など全国で少なくとも45件(計約1700万円分)あったことが、大手消費者金融会社の調査で分かった。中には、依頼を受けていない人の過払い金を勝手に請求したケースもあった。同社は「過払い金の仕組みを利用した悪質な行為」として、依頼者の同意が得られた8件について法務局などに懲戒請求した。
同社に対しては毎年、過去に借金をした約7万人から過払い金の返還請求がある。同社はこのうち、代理人の司法書士や弁護士に返還を終えたケースについて依頼者約2500人を抽出し、過払い金を受け取ったかどうかの聞き取り調査を実施。その結果、弁護士14人に依頼した27人と、司法書士15人に依頼した18人が「返還されたとは知らなかった。金は受け取っていない」と回答した。
このうち、弁護士1人、司法書士4人の依頼者については「弁護士や司法書士とは会ったこともない」と回答しており、依頼すら受けずに勝手に過払い金を請求した疑いがあるという。同社は「廃業した貸金業者などから流出した名簿を利用し、無断で過払い金を請求しているのではないか」と話している。
同社によると、過払い金返還の交渉をする際、業者側は依頼者本人と接触することがほとんどないため、「司法書士や弁護士は不正をしないと信頼するしかない」という。請求件数は膨大なため、全てを調査することも不可能だという。
日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会は、過払い金を受け取った際には速やかに依頼者に報告するよう規則などで義務付けている。
●借り主 「知らぬ間に」 司法書士 「入金忘れた」
九州でも、長崎県大村市に事務所を置く男性司法書士が、返還された過払い金計約65万円を女性2人に渡していなかったことが、大手消費者金融会社の調査で判明した。
同社が今年4月、司法書士を通じて9カ月前に約28万円を返還したはずの長崎市の80代女性に聞き取りをしたところ、女性は「司法書士には、別の案件を依頼していたが、過払い金返還なんて頼んだこともない」と驚いたという。
調べたところ、司法書士は別の貸金業者からも女性の過払い金約31万円を受け取っていたことが判明。女性が問い合わせると、司法書士側はすぐに報酬を差し引いて約40万円を振り込んできたという。
女性は「司法書士と面会した際、どの業者から借金をしたのか聞かれ、委任状にサインしてしまった。まさか知らないうちに過払い金を返還させているとは思わなかった」と怒る。
この司法書士は熊本県の50代女性についても、2012年7月に約6万円の過払い金を受け取っていたが、女性に渡していなかった。西日本新聞が今年6月に取材すると、司法書士はその直後に現金書留で女性に返還してきたという。
取材に対し、司法書士は「女性2人からは適切に依頼を受けて業務をした。入金が遅れたのは忘れていたからで、悪意があったわけではない」と話した。
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