北海道で「謎の森林買収」 地元から不安の声も上がっています。

08/14 00:57
北海道の広大な原野を購入する外国資本の動きに、地元からは、不安の声も上がっています。

北海道・共和町は、ニセコ、倶知安(くっちゃん)など、外国人に人気の一大スキーリゾート地に隣接し、町の一部が原発5km圏内に位置する。
共和町内の土地が購入されたのは、2013年のことで、香港にある中国の企業が、163haの森林を購入した。
リゾート地から離れ、主要道路からも外れた原野に近い場所。
民間取引のため、いくらで取引されたのかなどの情報は、町役場でさえわからない。
共和町企画振興課の成田慎一課長は「えっ、大丈夫かなと。やはり、資本が資本で、日本の資本じゃないものですからね、ちょっと不安はあったんですけれども。法的なものを全部確認させて、それで問題はないということで、不安はありながらも。(開発して付加価値をつけられる土地?)いや、私どもとしては、それはないのではないかなと思っています」と話した。
こうした海外資本が購入した森林について、林野庁は、調査結果を発表した。
2013年の1年間に、外国資本が買った森林は14件で、あわせて194ha、東京ドームおよそ40個分にのぼる。
資料で目につくのは、買い主の国籍に中国系が多いことと、購入目的が未定や不明となっていること。
いったい、彼らの目的は何なのか。
北海道・砂川市一の沢地区では、外国資本単体による森林買収としては、これまでで最大となる292haが買われた。
国際リゾートにするとのうわさもあったが、近くにはゲレンデ以外、目立った観光資源もない場所。
購入された土地には、ある場所も含まれていた。
一の沢でアウトドアショップを経営する穴田弘喜さんは「あそこの町内会館もそうなんですよね」と話した。
外国企業名義となった土地に建っていたのは、地区の集会所。
買い主との話し合いで、地区に貸し出されているという。
登記簿を取り寄せてみると、買い主の住所は、イギリス領バージン諸島の私書箱となっている。
住民は不安を感じないのか。
穴田さんは「(自分の周囲では)あんまり気にしないっていうか、事が決まって進めば、いろいろな意見もあると思うけども」と話した。
購入されたのは5年前だが、今のところ開発している様子もない。
実態がわからない、この買収劇に、砂川市経済部の佐藤 進部長は「この森林売買という部分については、なかなか、一自治体の方で、例えば、それを止めるような権限とか、許可っていう部分には、なっておりません。やはり、それなりの法整備が重要じゃないかなと」と話した。
一部の住民からは、大規模開発や伐採への不安も寄せられているという。
砂川市は、東京にいる代理人を通じて、連絡はできる状態だというが、現在の法律では、自治体に購入目的を調査する権限はない。
さらに取材を進めるうち、驚くべき事実が判明した。
2010年、北海道庁は、森林を所有する企業2,141社に、購入目的や今後の活用法について、アンケートを行っている。
しかし、宛先不明で913社分が戻ってきた。
宛先不明の法人が所有する森林は、およそ1万4,000ha。
また、自衛隊や警察施設周辺の579haは、現在、所有者が特定できていないという。
誰が、何のために、日本の土地を買うのか。
日本全国で、この問いへの答えが導かれていない。

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