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平等主義を考えさせられる「ネットカフェホームレス青年」(イケダハヤト著“新世代努力論”より)

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イケダハヤト著「新世代努力論」

以前「イケダハヤト」さんの最新刊についてこんな記事を書きました。

イケダハヤトさんの新刊「新世代努力論」に共感しまくり。正にぼくらの世代のための本だ! - YOSHIKI NEWS!!

比較的アンチが多いイケダさんですが、ぼくは基本的に彼の「仕事論」などには賛同する場合が多く、彼のおかげで「NPO団体」にも興味を持つようになったという点で、目標とさせていただいているブロガーの1人であります。

 

最近は過去に購入したイケダ氏の著書を読み返したりしているのですが、今日読み返していた「新世代努力論」について思うところが出てきたので、再度記事にさせていただきます。

 

「平等が育んできた悪徳」

「新世代努力論」の73ページには「平等が育んできた悪徳」という項目があり、そこから始まる文章に非常に共感が持てました。以下引用させていただきます。

 

なぜかこの日本社会においては、運よく努力できるようになった人たちは、自分の運のよさに気付いていません。

「自分が自分の力だけで努力できる人間になった」

と、完全に勘違いしている人は、実に多いです。

そういう勘違いした人々が、単に運が悪かっただけのホームレス男性について

「アイツは努力不足だ!努力してきたオレが、なんであんなヤツを助けなければいけないんだ!」

と憤り、社会的な責任を放棄しているのです。

これは日本に染み付いた「平等主義」が育んできた悪徳です。

日本においては「みんな一緒」であることが暗黙の前提となっています。

ホームレス男性を努力不足だと罵る恵まれた人たちは、

「ホームレス男性と自分が平等な機会を与えられている」

という前提に立っているのです。

「アイツとオレは、機会の上では平等だ。しかし、アイツは今落ちぶれている。オレは努力して、今の立場を勝ち得てきた。アイツは努力が足りないんだ。自業自得なんだ」

そういう論理で、彼らの思考はできあがっています。

 

 

改めてここを読んだ時、ぼくは一時期よく観ていたある「動画」を思い出しました。

 


ネットカフェホームレス青年 - YouTube

 

ネットカフェホームレス青年

この動画に出てくる青年「玉岡さん」は、数々の困難に直面しながら生きてきました。

 

① 小さい頃に両親が離婚。学費が払えず、高校を中退して働く

② 母親と一緒に暮らしていたが、その母親が家賃を持ち逃げ

③ それと時を同じくして、自身が仕事中に腰を痛め、仕事が出来なくなる

④ 当然アパートの家賃を稼げないので、アパートを出て行かざるを得なくなる

⑤ 中卒で腰を痛めているため雇ってくれる会社が無く、日雇い派遣へ。

 

というように、10分程度の動画の中にもこれだけの「困難」があったことが分かりました。動画の中で玉岡さん自身も語っていますが、両親の離婚や母親の蒸発など、自分ではどうすることも出来ないことが起きて現在に至ったと言っています。

 

この動画は、当時社会問題になっていた「ネットカフェ難民」「日雇い派遣」などをピックアップして作ったものだと思います。この動画に寄せられたコメントは同情や玉岡さんの親を非難するようなコメントも多いです。

しかし、その中にはやはり「自己責任」というコメントもありました。これぞイケダさんが著書の中で憂いていたことってこういうだったんでしょうね。

 

明日は我が身

ぼくもかつて正社員だった時はバリバリ働いていました。人間とは不思議なもので、忙しい環境でストイックに働いている時の方が、暇な環境でボケーっとしている時よりも病気になったりしないんですよね。もちろん過労はダメですけど。

そんな時代のぼくは、体が弱いスタッフやメンタルが弱く、凹みやすいスタッフを見ると「根性ねーな」などと思うことがしばしばありました。

しかし、それが我が身に降りかかってきたのがその翌年。2011年の震災後のことでした。

まあ細かくは省きますが、直属の上司がガラッと入れ替わり、その上司たちとそりが合わなかった。というのが大きな原因です。

そこからぼくは精神的に不安定になっていき、ついには「うつ状態(うつ病の一歩手前と診断された)」と「対人恐怖症(軽度)」と診断されました。

そうなってから、ぼくは今までぼくが冷たい態度をとってきた人たちの気持ちが分かったような気がしました。

 

こんな風に、人というのは「環境」によって状況が大きく左右されます。今は良くても、数年後にはどうなっているか分からないのが人生です。ぼくはこの本を読んで、今までより、少しでも人に優しくなろうと思いました。それが自分のためにもなると思います。これからもよく考えながら生きていきます。おしまい。