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【経済】

経常赤字5075億円 1〜6月 半期で過去最大

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 財務省が八日発表した二〇一四年上半期(一〜六月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は五千七十五億円の赤字だった。比較可能な一九八五年以降、上半期としては初めての赤字。下期も含めた半期ベースでは一三年下期(七百八十八億円の赤字)を上回り、過去最大の赤字となった。円安が進み、輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字が六兆一千百二十四億円に膨らんだことが影響した。

 経常収支は八〇年代以降は自動車や電気製品の輸出が全体を底上げし、黒字傾向だった。しかし、一一年の東日本大震災以降は燃料輸入の増加などもあり、貿易収支の赤字が続いている。最近の円安傾向にもかかわらず、輸出が伸びていないことも貿易収支の赤字が拡大する一因となっている。

 経常収支の内訳を見ると、貿易収支の赤字は過去最大となった。輸出は前年同期比8・1%増にとどまる半面、輸入は14・7%増となった。企業が生産拠点を海外に移し、輸出が伸びにくい経済構造に変化していることなどが影響した。海外への投資から得られる利子や配当金などの第一次所得収支の黒字は4・2%減の八兆三千二百二十六億円だった。

 同時に発表した六月の経常収支は三千九百九十一億円の赤字だった。赤字は五カ月ぶり。

 <国際収支> 日本と海外との経済取引の現状を示す統計。財務省が毎月発表している。取引の全体像を示す「経常収支」は、輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」、輸送や海外旅行の「サービス収支」、利子や配当に関する「第1次所得収支」、寄付や贈与による「第2次所得収支」で構成される。経常収支は、日本に入ってくるお金が海外に出ていくお金より多い場合は黒字、少なければ赤字になる。

 

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