「安倍首相は撃たれ、安重根の声がハルビン駅に響き渡った」

キム・ジョンヒョン著『安重根、安倍を撃つ』

 小説『父のいた日々』で有名な小説家のキム・ジョンヒョン氏(57)が、安倍晋三首相(60)をターゲットに、事実と空想を組み合わせた長編小説『安重根(アン・ジュングン)、安倍を撃つ』を発表した。

 本作は、独立運動家の安重根(1879-1910)が伊藤博文・初代韓国統監(1841-1909)を暗殺した歴史的事実に基づく第1部・第2部と、安重根が安倍首相を狙撃するという架空のストーリーを描いた第3部からなる。

 安倍首相の相次ぐ妄言と日本の右傾化で深まる、最近の懸念を反映した作品。「反省はおろか、靖国神社参拝などふてぶてしい態度を取る日本にとって、警告ではなく反省のチャンスになることを望む」という気持ちで書かれた。

 キム・ジョンヒョン氏は、4日午前に光化門で開かれた『安重根、安倍を撃つ』の販売記念記者懇談会で「安倍を撃つという小説が出るほど韓国人は怒っている。このことを認識して反省してほしい」と強調した。

 キム・ジョンヒョン氏は、小説執筆のために数年間韓国と中国を行き来し、資料を集めた。特に、安重根が旅順監獄で書いた『安重根自叙伝』(原題は『安応七歴史』)と、安重根が裁判を受けた当時の新聞・公判記録を参考にした。

 10月26日、中国のハルビンに向かう超高速の特別列車「和諧731号」に乗っていた安倍首相の前に、安重根が現れた。かつての日本の蛮行を反省せよという安重根と、「私がやったことではない。それが私とどう関係あるのか」と言って逃れようとする安倍首相。

 安倍首相は幻影を見ているのだと思ったが、恐怖に震えた。数時間後、ハルビン駅。1909年10月26日と同じく、厳重な警備の中で安倍首相が特別列車を降りた直後、立て続けに3発の銃声がとどろいた。安倍首相は撃たれ、安重根の声がハルビン駅に響き渡った。

 安重根は逮捕され、殺人未遂で収監、裁判にかけられることになる。しかし安重根が安倍首相を撃つほかなかった、安倍首相の15の罪を告げたことで、裁判の先行きは変わり始めた。

イ・ジェフン記者
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