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 精神疾患である統合失調症の発症に関わる遺伝子を含む領域を、米ハーバード大と英ケンブリッジ大、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)などの国際研究チームが新たに83カ所特定した。原因の解明と治療薬の開発に道を開く成果だとしている。22日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 チームでは、アジアや欧米などの統合失調症の患者約3万7千人と、患者ではない約11万3千人の遺伝子情報を比べて解析。精神疾患の研究では過去最大規模の人数を対象とした。発症に関わる遺伝子領域の特定数を増やし、すでに特定済みのものも合わせ、今回108カ所を確認した。

 統合失調症への対処には現在、脳内の神経伝達物質の働きを抑える抗精神病薬などが使われている。だが、原因が未解明のため根本的な治療法はまだない。発症には複数の遺伝子が関わると考えられ、特定の研究が世界で続いている。