昨年7月の参院選比例区の開票をめぐって、当時高松市選管事務局長だった山地利文被告(59)と市選管職員らが票を不正に操作したとされる事件で、8月以降に票の入った箱を開封し、票の移し替えや廃棄などをしたとして、封印等破棄の罪で在宅起訴された市選管職員3人のうち、1人が「山地被告に指示されて隠蔽(いんぺい)工作に加わった」などと話していることが16日、関係者への取材で分かった。
在宅起訴された3人のうち、岡弘哲被告(53)は起訴された15日、市選管に犯行を明かして謝罪していることから、少なくとも2人は隠蔽工作を認めたことになる。
高松地検は箱の中の票の不正操作は、開票作業での白票水増しや衛藤晟一氏(自民党)への投票を集計しなかった不正を隠すのが目的とみており、山地被告が主導的な立場で隠蔽工作を繰り返していた可能性がある。
山地被告は、白票水増しや衛藤氏の票を未集計にしたとして公職選挙法違反(投票増減)の罪で起訴されたほか、市選管職員3人とともに、封印等破棄罪でも起訴されている。
関係者によると、この職員は箱の中の票の不正操作への加担について、「上司の山地被告に指示されて断れなかった」などと話しているという。さらに、事前に白票水増しや衛藤票の未集計について知らされた上で行っていたことを認めており、隠蔽工作と分かって行為に及んでいたとみられる。
起訴事実で箱の中の票を不正に操作したとされる時期は、選挙翌月の昨年8月上旬から中旬、同9月上旬から中旬、今年1月下旬の3度。この当時、山地被告は職員3人の直属の上司だった。
【関連記事】
→重ねたうその上塗り/高松市選管・票不正操作
→第三者調査委を設置/高松市選管・票不正操作
→選挙の適正、管理市町選管に通知/県委員長