森林条例の改正検討へ 滋賀・長浜の巨木群伐採問題
滋賀県長浜市木之本町金居原で貴重なトチノキ巨木群の約30本の伐採を木材業者が計画しているとして、滋賀県内のトチノキ林保護に取り組む市民団体「巨木と水源の郷をまもる会」などが12日、県に伐採防止を図るよう要望した。嘉田由紀子知事は「法的に適正で止める方法がない」とする一方、今後、森林の巨木保護に向け県条例の改正を検討する考えを示した。
同会などによると、巨木群は個人2人が所有する山林約20ヘクタールに直径1~2メートルの約40本があり、推定樹齢は200~500年。うち約30本を地元の木材業者が購入し、9月から伐採する計画という。
県への要望は、同会と自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)のメンバーら6人が大津市の県庁を訪れて行った。要望書では、トチノキの巨木群は数少なく貴重として県に伐採防止など4項目を求めた。
県によると、現地は水源かん養保安林で、市の伐採許可を業者は得ているという。要望に対し、嘉田知事は伐採を防ぐ措置は困難とし、「ポイントは所有者が保全を納得するかどうか」と業者や地域住民との話し合いに期待を示した。9月には間に合わないが、今後、琵琶湖森林づくり条例に巨木の保護を盛り込む改正を検討する考えを述べた。
要望後、同協会滋賀支部の村上美和子代表は「巨木群がある杉野川上流は琵琶湖の水源地として重要。地元や行政と協力して巨木群を守りたい」と長浜市や森林組合などに保全を訴えていく考えを示した。
【 2014年06月12日 23時16分 】